9. In my opinion, I don't have to be Ninja.
「おい、ナルト」
「あ、はい? なに?」
アカデミー終業式、明日が卒業試験だというのでみんなが浮き足立っているところに、イルカ先生に呼び止められた。一体何だろうか。
「ラーメン、食いに行くか?」
「まじ!? 行く!」
イルカ先生は本当に気前のいい人間だ。
そして優しい。とても、優しい。
「お、イルカ先生にナルトだな! いらっしゃい!」
一楽に行けばテウチさんが愛想良く迎えてくれる。九尾による被害がまったく忘れられなかったときから人よく接してくれているテウチさんは本当にいい人だ。
「ナルト。明日の卒業試験、行けそうか?」
「うーん……わからないってばよ」
「そうか……」
イルカは本当に、オレを一人の生徒としてよく見てくれている。いつだって心配してくれている。今まで変化の術や分身の術なんて全然成功したことがないのに、卒業試験なんて無理に等しかった。
だから、なんとなく、言ってみた。
「先生」
「ん? なんあ?」
口に入れてるものを飲み込んでから喋りなさい、っと言いたいところだが、別にいいか。
「オレ、別に忍者になれなくたっていい」
「ん!? ゲホッ、なんでだ!?」
「確かにオレは、雇ってもらいにくいかも。でも、いくら忍者走りは出来なくても普通の人よりは速く走れるし、動きだって素早い。それに、さ。オレ、忍者になれそうにないって」
あと、死にたくなかった。できるだけ生きていたい。死ぬことは怖くない。でも、オレは20歳まで生きたことがないから、生きてみたいのだ。
「……確かにそうかもしれないが、少なくともオレは、ナルトには忍者の才能があると思っているよ」
「……そうだったら、いいんだけどなー」
その後も空気がしんみりしてしまった。せっかくラーメンおごってもらったのに、申し訳なかったなあ。
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