2. Here is The Village of Hidden Foliage. Who is the hero?


「うー」

 赤ちゃんらしい唸り声を上げ、目を開けた。世界と初めてのご対面だ。音も聞こえる。
 容量の少ない頭の中で時間軸を整えよう。とりあえず今は、第三次忍界大戦がおわったばかりのはず。

「おーナルト。起きたかね?」

 視界に突如老人が入り込んできた。うわびっくりした。しかしまあ……。

――――木の葉隠れの里、か。

 老人の頭の上には【火】と書かれた帽子を被っている。つまりは火影。……ヒルゼン、様。変わってない。変わってないなあ……。まあいいか。

「ふむ……」

 それもそのはずだ。たった二年だ。この里を離れていたのは。
 ヒルゼン様はやわらかく微笑むと、頭を撫でてくる。

「お前はな、英雄なんじゃよ……。そして、行き場のない怒りを鎮めるための……」

 英雄? 今の自分に何かあるのはわかった。そして人々の怒りを受け止めるための存在であることもわかった。……嫌だなあ。大人の事情とはいえど。ああ、めんどくさい。自分は長生きしたいんだけどな。

 よし、寝よう。
 初対面の世界に、さようなら




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