4. The mystery writers with new writers.


 卒業試験に受からなかったのはこのうずまきナルト、ただ一人。つまるところ、ひとりだけ留年したのであった。
 まあ忍者走りもできないから、卒業しても困るわけだけど。

 学年の始めの頃では、持ちあがりが基本のアカデミーで見慣れない人を見て物珍しそうに見ていた人もいた。
 けれども、その噂は一日で広まって各家庭で色々仕込まれたらしい。

 別に、友達出来ても迷惑かけるだけだからいいんだけどね……特にこうやって子供が親に左右されやすい時期は。……あ、例外が一人いるけれども。

 カランカラン。

 アカデミー帰りに踏み入れたのは「てんちゅう本」、つまりは例のお金を払えばどんな客であろうと気にしないおっさんがいる本屋である。

「ほんとにあるのー?」
「ホントだよ!確かにここに木綿さんの昔の本があるって……あ」

 あ。
 驚きたいのはこっちのほうだ。まさかこんな寂れた本屋にクラスメイトがいるとは思わなかった。

 あちらがこちらを見てからずっと気まずそうにしているのでこちらも気まずい。
 とりあえず入口から左に入ってあちらから見えないところに移動する。

 テンテンさんが木綿のファンだとはなぁ……。一緒にいた下忍は誰だろうか? 頬に描かれた模様と忍犬からして犬塚の人かね?

 小説家木綿とは今から六十年くらい前から小説を出している作家だ。噂は多岐に渡り、木綿は個人の名前ではなく団体名ではないかと唱える者もいる。知名度はそれなり。
 初期の作品となればすでに取り扱いのない本屋も多く、ここにあると聞いてやってきたのだろう。

 小説、ねぇ……。

 書くか。
 適当にそこらへんの雑誌を漁る。新人募集、と書かれた雑誌を見つけたのでそれを買った。小銭だらけの蝦蟇口を取り出して店主に払えば雑誌を袋に入れて渡される。

 蝦蟇口にある金はすべて毎月ずつ爺からもらったものだ。つまりはお小遣いである。ま、今日その今月分を使ってしまったので。
 今月は一楽のラーメン、抜きか。




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