2. How to graduate?
今自分がいるのはアカデミーの最高学年である。座学や体術はしっかり学んだ。体術は、チャクラを纏わない体術の方だ。だから特に一般人が考えるような忍者らしいことはしなかった。突きや蹴りなど、一般的な体術を習った。
いくら昔忍者をやっていたとは言えど、体が覚えていた、なんてことはない。
体術なんて結局は鍛錬の量で決まるものだ。頭の中の経験だけで上達するものでもなかった。優秀な忍者になる気もなかったので、鍛錬なんて全然しなかった。
忍術、幻術、チャクラを纏う体術を学ぶようになると成績は特に落ちていった。
チャクラが、練れない。
いや、練れることには練れるのだ。だが、練ろうとすると体中が内側からはがされるような痛みを覚えた。変化の術や、分身の術はやろうとすればできるけど、痛いものは痛いのだ。
手や足に纏うだけならどうだ、と言われれば、それもあまり楽ではない。手に集めれば、手がピリピリと痛む。足に集めれば足が痛む。例えるならば、ずーっと静電気を纏っているかのようだ。
おかげでチャクラを纏う体術もダメダメである。チャクラを纏うことによって強化された手足で強い打撃を繰り出すことができない。そして、チャクラを足に纏って早く走ることができないのだ。
忍者の足のスピードは一般人より早い。それは忍者が足の裏にチャクラを纏っているからであり、纏わなければ一般人の足の速さとなんら変わりはなかったりする。
おかげで成績はダメダメだ。卒業できなくて留年確定である。ま、自分としてはそっちの方がありがたかったわけなんですけどねぇ。
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