28. I wanna longer life than before.


 ……はぁ。

 アカデミー初日。同時に今日からアパートに住むことになる日。とりあえず朝はじじいと一緒にアカデミーに来た。

 同じく自分たちの子供と一緒にアカデミーに来た新入生の親はさぞ驚いたであろう。じじいが来ることに問題はない。問題なのは隣にいるオレである。

 化け狐がアカデミーに入ることさえ不確定だったうえ、入るとしても二年後である。オレより二歳上の子供を持つ親たちは、きっと運が悪いと落ち込み嘆いたことだろう。こっちだって憂鬱だっつーの。

 新入生と担任しかいなくなったくの一の教室で一人ぼんやりと座る。さきほど数名話しかけてくれた子がいたが、その子の親に知られたら気まずい関係になるだけだろうし不快にさせないように追い返した。

 二年。

 それがオレが最低でも留年しなければいけない年数だ。

 できることなら三、四年が望ましいところだが……。さすがにそれも気が引ける。
 化け狐が並の子よりできるのはあまりよろしくないことだろう。できるだけバカな方がいいのには間違いない。アカデミーの座学なんてオレには余裕なのだが。

 現在の忍者アカデミーはどうやら、四年間の座学と体術の後、二年間の幻術と忍術を習うようだ。これが一般生徒へと指導過程らしい。つまり卒業時には十二、十三歳だろう。

 昔は九歳で下忍、が普通だったのになあ……。やっぱり時代は変わる。……もし自分が九尾でなければ、結構長生きを望める環境であったんだろうけどなあ……。




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