19. ...You hate me? OK, so, I hate you.


「へい、いらっしゃい!」

 いいところ――そういって連れてこられたのは、ラーメン一楽だった。
 ……えー。ヒルゼン様、この選択は如何なものだろう? 夕ご飯もとっくに食べたし? 何か子供に悪い遊びを教えてるようだ……。

 しっかしまあ、今日はお店を休業させてる人の方が多いというのに、一楽は通常営業みたいな感じだ。お昼は一緒に黙祷してただろうけど。

「お、火影様ですか! で、こっちは……あ、火影様が、預かってらっしゃる」
「ナルトじゃよ。ほれ、自分で自己紹介せい」

 テウチさんの表情は複雑だ。まああたりまえだろう。

 お客は神様だという言葉があるが、その神様が村を滅ぼしかけた存在であれば、それは客として扱いたくないものだ。
 しかしヒルゼン様の手前、そのようなこともできない。

 居心地が悪い。悪すぎる。どこがいいところだ。大体、元知り合いだった人にそうやって嫌がられるのは心苦しいものだ。
 あ、そうか。オレの母親、クシナさんがこの一楽が大好きで、だからこそ、ヒルゼン様は連れてきたのだろう。……有難迷惑でもあるんですけどねえ。

「えっと、うじゅまきナルト、さん……じゃなくて、よんさい」

 大人の気持ちに敏感な子供というのは、嫌がられてると気づけば、自然に暗くなるものだ。まあ、今まで元気よく自己紹介なんて、ね?




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