18. The night walk with sleepiness.


「ナルト、まだ起きとるかね?」

 そういって部屋を開けたのはヒルゼン様だ。まあ相手が子供なら気配で起きてるか起きてないかなんて丸わかりなのだが、一応確かめてみたのだろう。

「うん……」

 ヒルゼン様の質問は起きているか否かだ。決してそれは就寝を促すものではない。
 もしそれが就寝を促すものなら、質問は寝ているか否かになっていた。
 つまり、オレに起きていてほしいことになる。何故に?

「わしがいいところにつれてってやろう」

 すでに九時過ぎのことである。子供はもう寝る時間だ。
 墓参のために遅くなった夕食は、だがすでに睡魔を及ぼしており、いくら精神は大人であるとはいえ、眠気を振り切ることはできない。
 さらに今日はいつもより疲れているのだが。

「いいところ……って?」
「うむ。ついてからのお楽しみじゃ」

 これはもしかして……夜に外へ出かけられるということなのか? 引率者付きではあるが、暗くなってから外へ出かけるなんてことはそうそうない。けど眠い。

「うんわかった。楽しみ、する」

 まあ、今日は俺の誕生日だからな。どこに連れて行ってもらえるのだろう。
 少し眠いが、これはとても楽しみだ。なんたって今回ははじめての誕生日なのだ。意識がしっかり保てるようになってからの、はじめての。





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