11. Someday human beings die absolutely, I know. But...!
「おぉ、かっけー……」
そう呟くオレが見ているのは任務で殉職した人々の名前が載った石。つまりは慰霊碑。
まだ教育を受けておらず、文字という概念はあるものの、字の読めないうずまきナルトにとってこれはただの石でしかない。
ついてきている暗部はどう思うだろうか。クソガキにかつて共に戦った戦友の名前を見られたくない、だとか、そういうことを思っていたりするのだろうか。
とりあえずかっこいい形の石を興味津々に見ている、という雰囲気を作りつつ、上から下まで、文字を読んでるとは悟られないように見てみる。
――――みっけ。
前の前の――八回目のオレは殉職した身であった。だからちゃんとこの石にも名前が刻まれている。墓場に行けばちゃんとした墓もあるだろう。体は埋まってないと思われるが。
そして……今、視界の端に見たくなかった名前を見つけてしまった。
――――かつて恋した女の子。
もう……いないのか。
今のオレに、君への恋心は残っていないけれど。寂しいものは、寂しいのだから。
――――寂しい。
大切な人がなくなっているという事実は、寂しい。今のオレには関係ない、だけど、一方的に知ってるのは自由だ。
ほら、また見つけた。見つけてしまった。
――――ミナト先生、クシナさん。それに、ビワコ様。
……なんだか、疲れたってばよ。
うずまきナルトの体は睡眠を訴えているようだ。ならばオレはそれに答えよう。どうせここで眠ろうが、暗部の人が火影邸へ連れ帰るのだ。そこらへんはすでに実証済みである。
そんじゃ。おやすみなさい。
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