10. The exploration in neighborhood.


 もっしもっしきゅーびー、きゅーびさーんよー。

 心の中で手毬歌に合わせて歌ってみた。もちろん何も起こらない。
 ……ふーむ。

 今日のオレは見晴らしのいいところにきている。この葉隠れ全体を見渡せる作りとなっており、昔のオレもたまにここに来ていた場所だ。毎日公園に通っていれば、オレにおびえて他の子供たちが遊べなくなってしまうので、比較的人の少ないこちらに来てみた。

 だがここは風が強すぎる。あと階段が長すぎる。三歳の子供には地獄だとしか思えん。だからここにはそんなに来ないのだが。

 きゅーびさーん。
 心の中で呼びかけてみる。反応はない。

 どうにも、自分の中に、本当に九尾が封印されているのかどうかが疑わしいのだ。。呼びかけても反応しないからだとか、そういうわけではない。呼びかけて答えるような生き物だったら人間と分かり合えるはずなのだ。

 体に異変らしき異変を感じない。

 それはお前、チャクラを感じ取れねえからじゃねえの、というツッコミを自分でしておくが、そうでもない。

 それとも、人柱力とはこういうものなのだろうか。でも実際、このうずまきナルトの体は一般的な子供に比べて発熱することが多い。九尾の封印によって自分でも感じないところで疲労がたまっているのだろうか。

 今迄人柱力になったことなんてないからよくわからない。初体験、である。
 あ。

 木製の椅子にあおむけに倒れつつ、ある可能性を思いついた。
 もしかしたら。
――――チャクラを練れば、何か起こるかもしれない。

 びゅうっ、と風が吹いた。
 アカデミーに入ってからまた検証してみるとしよう。実際に何か起こったら怖い怖い。チャクラが乱れて九尾の封印解けたー、なんてことが起こったものならオレは苦しみながら死ぬのだろう。それは嫌だ。まあ抗いはしないけれども。

 さーてっと。
 倒れていた体を起こし、すくっと立ち上がる。
 里の近くを探検するのだ。
 ま、探検と称して記憶にある場所をあちこち回るだけであるけど。





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