9. Always someone is watching me. So bored.


 キーコ。キーコ。

 結局一人、公園のブランコに乗っていた。
 公園に入った瞬間、奥様方は我先にと子供を引き連れて帰ってった。中には自分の子供じゃなくとも過保護に無理矢理家に返していた女性もイタ。

 もちろん気持ちはわかるとも。わかるともさ。これでも前は一児の親だったからな。

 奥様方から見れば、オレは一匹の化け狐。封印されているというよりは、化け狐が人間に化けたと考えていると思っているようだ。
 そしてその化け狐が自分の子供に近づいた瞬間、殺されたら――なんてことを考えれば、オレから逃げるのは当然のことだ。ああ怖い怖い。

 キーコ。キーコ。

 いかにも寂しそうな雰囲気を漂わせてブランコを漕ぐ。ちなみに演技ではない。心の底から寂しい。

 何回も生まれ変わってきたからって、一人でも寂しくない人間になったわけではないのだ。温もりを求めて、人の温かさを求めて。
 家庭内暴力のある家庭に生まれたことだってあるし、親が忙しくて家にほったらかしにされたことだったある。けれど、それとこれとはまた違う。

 ――――四六時中、監視付き。
 子供として変な事をした瞬間、上に知らせが行くだろう。お前は本当にうずまきナルトか、九尾に体を乗っ取られたのか、と拷問され、幽閉され……。それ以上は想像したくない。

 とにかく、何かやることを見つけることができる昔とは違い、監視が付いているというのは大変めんどくさい。
 そして一人ぼっちであるという事実。

「……ふん」
 いじけてみた。まあどうにもならないわけだが。

 キーコ。キーコ。

 うずまきナルトは、どうも生き辛い。まあ、家族に痛めつけられることがないってだけマシなのかね。




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