「あ、大変っ!遅刻遅刻ーっ」
私折原臨也!高校2年生です。転入初日に寝坊してただいまパンを片手に走ってます。

そんな私が――――

ドンッ

「きゃっ!」
曲がり角を曲がった瞬間に誰かにぶつかって私はしりもちをつく。そこには……。

「す、すいません!前を見てなくて……って臨也さん!?」
あ、帝人君。

「おはよう!帝人君!いい朝だね」
私……じゃなくて俺は目の前の帝人君に自分がもっともいい笑顔だと思える顔を向けた。

「おはようございます。じゃなくて、なんですかその格好!しかも何してるんですか……」


帝人君が俺を指さして驚いたように言う。
帝人君が驚くのも無理はない。今俺はセーラー服だからだ。なんでかっていうと、いきなり女装した恋人に曲がり角でぶつかったらどんな反応をするか見たかったからだった。

まぁ、これも俺がたまたま考え付いた新しい趣味の1つなんだけどさ。ぶつかった後の姿勢を変えず座ったままの状態で俺は口を開く


「これ?セーラー服だよ?ちなみに俺は別に君以外の誰にでもぶつかっていいという訳ではなくて君が来る時間を狙って曲がり角をパン片手に曲がったんだけどね?」
俺はそうペラペラと声色を変えずに語った。帝人君はそれを無言で聞いている。
一通り喋り終わった後に帝人君を見ると帝人君は

「なんですか。その曲がり角でパン持った子にぶつかるベタな展開は……」
「お約束だよ。ほら、帝人君言ってたじゃない」
「何か言いましたか?僕……」

「『お約束もバカの一つ覚えの展開も愛してるよ。』って」
ダラーズの初集会のことを思い出しながらそう言ってやると帝人君はプルプルと震えた。
ん?寒いのかな?

「あの……臨也さん。パンツ見えてます……」
「え?」

全く……とんだハプニングだよ

お約束ハプニング



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