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「清苑様…何をお考えですか?」


卓子に積まれているたくさんの書簡や巻物。

清苑がその中の1つを手に広げたまま、じっとどこかを見つめている事に気が付き、妃は声をかけた。


「…君の事だよ」


呼びかけられた事で清苑は意識をこちらに戻すと、手にしていた巻物を丸めて妃にそう微笑みかけた。


「私の、どんな事ですか?」


妃は卓子に近寄り尋ねる。


「君のこの、透けるように明るい長い髪が、いつもとても手入れをされていて美しい」

傍に立つ妃の髪を一束すくい上げてはハラハラと流してみせる。


妃は一瞬表情を曇らせたが、いつもの笑顔を浮かべると言葉をかけた。


「今夜もまだお仕事が忙しそうなので、先に休ませていただきますね」


「ああ、すまない」


妃が室が出て行くと清苑は深くため息を吐いた。










2人が婚儀を済ませてから早みつき。


いまだに夜を共にしない清苑に、妃は不安を抱いていた。

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