*微糖な兄貴。
劉輝のお願いからの変態静蘭の話
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何度もお互いに口付けを交わし、衣服もすでにほとんど脱ぎ去り、劉輝はすっかり甘えた声を出すようになっていた。
「あにうえ…」
トロンした瞳で見上げられて、静蘭の心にイタズラ心が湧いた。
「劉輝、そろそろ差し上げましょうか。舐めてみたいのでしょう?私のあれ」
ポーッとした頭で聞いていた劉輝は目をパチクリとさせた。
「今ですか?!」
それもそうか…と静蘭も思ったが「下さるのなら欲しいです!」と続いた弟の言葉に満足そうに頭を撫でてやる。
期待に満ちた劉輝の前に出されたのは…。
「イヤですっ!」
「舐めてみたいと言ったでしょう?」
「余が言ったのは、こんなものじゃないのだーっ!」
自分の目の前に出されたのは、褌を取り去り膝立ちする兄のそそり立つあれ。
劉輝は顔を真っ赤にしながら静蘭からの申し出を断っていた。
「……こんなものって」
静蘭はため息を吐くと、再びゆっくりと劉輝の体を倒させてゆく。
「主上、私のこれが欲しくて夜伽を命じるのは誰ですか」
言いながら腰から下を撫でられた劉輝は体を震わせた。
「余はっ、命じてないのだ!いつも静蘭が勝手に…」
顔を背けて否定をすると静蘭が離れて行く。
「わかりました。それでは今夜はここでお暇させていただきますね」
笑顔でそう言うと劉輝に掛け布を被せて離れて行く兄の体と体温。
しばし後、手早く衣服を整えた静蘭に改めて一礼をされる。
「それでは主上、おやすみなさいませ」
「まっ、待つのだ!行かないでください、兄上っ」
踵を返した後ろ姿に昔の記憶が蘇り、劉輝は必死で兄を呼び止める。
「兄上!どこに行ってしまうのですかっ…また私を置いて行かれるのですか。私は、兄上がずっと大好きで、ずっと一緒にいたくて…ずっと待っていたのです…」
幼い頃の記憶と混同したのか、劉輝は膝を抱えて涙を流していた。
必死の呼びかけに足を止めて様子を見ていた静蘭も、劉輝の泣き顔に昔を思い出し心が痛んだ。
「劉輝。私はここにいるよ」
静蘭は寝台に寄ると腰を掛け、再び劉輝を抱き締めた。
「すまないね。君があまりに突拍子もない事を言うから可愛くて」
「兄上…」
「今日は朝まで一緒にいるのが勅命ですからね」
涙で濡れた顔を手で拭うと、劉輝は目の前の相手に視線を向けた。
「余は、王なのだ!だから!逃げない」
言ったかと思うと劉輝は兄の体を引き倒し、衣服を脱がせてかがみ込むと、先程までより萎えてしまった兄のそこに顔を寄せた。
「止めてください!」
弟のその行動に制止の声をかける。
その言葉を無視して、口を付けた劉輝は眉間にシワを寄せて、苦悶の表情を浮かべた。
「うっ…!」
「だから止めたでしょう」
でも静蘭が…と堂々巡りに成りかねないやりとり。
静蘭はかがんだ劉輝の腕を引くと手の甲に口付けた。
その行動に顔を上げた劉輝にニコリと微笑む。
「砂糖菓子は今度持ってきます」
今夜はこのまま一緒に。
終わる
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「はい劉輝。欲しがっていた砂糖菓子だよ。口を開けてごらん」
「あー…あぁ!なぜ自分の口に入れてしまうのですか兄上!」
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