*とらわれた(劉静)
「っん、ぅん」
劉輝に口付けをされる時、彼の長い髪の毛がパラパラと落ちてきて自分の顔の周りを覆う。
顔が離れても、自分を組み敷く彼の長い髪の毛は律動に合わせて揺れる。
快楽を欲する様は普段のニコニコした頼りなく可愛い主上ではなく、男らしく逞しい弟の姿にドキリとして、静蘭は思わず目を閉じて顔を背けた。
「ぁ、っあぁ」
しかし自分の発する高い声が聞こえてきて彼に抱かれている事を自覚しただけで、結局自分に覆い被さる相手に視線を戻す。
「っ、兄上…気持ちいい、ですか?」
「あっ、ん」
目が合うと劉輝が尋ねてきたけれど、気持ち良すぎて返事なんて出来ない。
ただただ上擦った声で喘ぐだけ。
その様子に劉輝は嬉しくなると、再度静蘭に口付ける。
劉輝の髪がパラパラと揺れ落ちる。
静蘭は思う。
ーー劉輝しか見えなくて。彼の世界に閉じ込められたみたいだ
縋るように静蘭は劉輝の首に腕を回す。
更に密着した体を何度も強く揺すられる。
「…、」
終わる
今までみたいな夢オチでも未遂でもない劉輝×静蘭を書けて満足(笑)
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