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清苑は劉輝の手を引き寝台に向かった。


劉輝は緊張したように少し震えていた。


「私が、こんな関係を望んでしまったから…」

「それは違うよ。私もきっと、心のどこかで望んでいたんだ。だから、幼い君の頼みを聞き、この関係を続けていたんだ」


寝台に辿り着くと清苑は劉輝を抱き締めた。
背中に回された腕を愛しく思いながら、そのまま何度も優しく口付ける。


劉輝の体が寝台に倒れ込む。

清苑は髪を鋤いてやりながら口付けを繰り返す。


「っ、ん…ぅ」



自分の発した声を聞き、すっかり慣れてしまったはずのこの行為すら、劉輝にはとても恥ずかしく感じた。



「兄上…恥ずかしいです…」


「私の目の前で女官に口付けた君が何を言っている?」


その兄の言葉は少しムッとしているように聞こえた。


「ごめんなさい…」


「私が悪いんだ。君を公に選べないからと容姿の似た人を妃に迎えたのだから」


「…私と似てましたか?」


「似ていなかったよ。劉輝の方が彼女より淫らで可愛く、美しい」


「…嬉しくないのです」


「そうか?」


不服だと劉輝が口を突きだし膨れ面を見せると清苑は笑い何度目ともわからない口付けをする。


「劉輝…」

そのまま名前を呼ぶと閉じていた瞼を上げる。


「何ですか、兄上」

「くすぐったいな」

「そうですね」

ふふ、と笑いながら劉輝が清苑の両頬に手を添え自分の唇に引き寄せる。
その仕草は今までになく色気を漂わせていた。






「ぁ、」


口付けの合間にお互いに着物は脱ぎ捨て、露になった劉輝の胸元に清苑が唇を寄せた。
片方は指や手の平で、片方は口腔内で可愛がる。


「…んぅ、ぁっ」


そうしている内に清苑は徐々に体を下降させて行く。
程よく鍛えられた腹筋や臍にも舌を這わせると劉輝は更に高い声を出す。



「っんぁ…兄、上」


劉輝が顔を火照らせ、潤んだ瞳で清苑に呼び掛ける。


「も、う…触って…」


劉輝がそそり起つ自身に手を添え、眼前に見せつける。
清苑はゾクリとした。
何度も情事を重ねて来たのに、これ程淫らで積極的な劉輝を知らない。

ニヤリと笑うと清苑は望み通り、それに手を伸ばした。
そうしてしばらく手で愛撫した後、口に含むと劉輝は一層啼いた。


「あっ!っやぁん気持ち、いい…」


劉輝の反応に清苑も熱が高まって行く。

「あに、うえ…私にも…させて」


そう言うと劉輝が清苑の体を押し倒し、熱を持ったそこに手を添え口に含んだ。


「っ、劉輝!?」


今まで、される側だけだった劉輝がこんな行為をするのは初めてだった。


「んっ…はぁ、兄上の…大きくなりましたね」


「………っ」


「このまま、続けても…いいですか…」


紅潮した顔で息を乱しながら自身を握る彼が、更に何をするのか見てみたくなった。


髪を鋤いてやりながら眺めていると、劉輝がそのままよじ登って来た。
そうして自分の両足を開くと、清苑の自身に手を添えそこに腰を下ろして行く。


「な、ぁ、劉…輝?!」


「あ、…にうえ…気持、ちいです」


解してもいないそこはすでに柔らかく、清苑を難なく受け入れる。


「は、さっき…兄上のを舐めながら、自分で解してたの、です」


腰を上下に揺らしながら、今までの劉輝からは想像も出来ない卑猥な言葉が出てくる。
この体位も、今までやった事はないのに…。


「…っあ、あ、ん…も…出る
っ」

「っ劉輝…」

劉輝が限界を迎えたのと同時に、いつもと異なる姿に煽られ通した清苑も欲を放った。









「劉輝…私の他に好きな、抱かれている相手がいるのか」


行為の後、2人で裸のまま毛布に包まれているとうつ伏せて不貞腐れたように兄が言った。


「いませんよ?兄上だけです」


それを聞き、天井を見つめていた劉輝が、何を言っているのだろう?と言った表情で清苑を見た。


「…私の教えていない行為を知っていた」


「私も、兄上に黙っていた事があるのです…」


清苑が劉輝の方を向く。



「私は以前…女人を抱くのに失敗したと言いました。だから兄上にまた教えて欲しいと…。けれど本当は、失敗なんてしてないのです。最後まで成したのです」


ただ、兄上に抱かれた時のような快感はなく、気持ち悪さと恐怖が勝って、その後異性と関係を持つ気になれなかった。

その時の女官のマネをしたのです、と劉輝は笑った。



「兄上はやはり、女人の方がお好きなのですね…」


女官のマネ事をした劉輝に興奮した事で、あらぬ誤解をされてしまった。


「そうではない。私は劉輝が好きだ。今まで見た事のない君の姿に目が離せなかった」


背中を向けてしまった彼を後ろから抱き締める。


「劉輝…今度から泣くのは庭院ではなく、私の腕の中だけにしなさい」


「何ですか、それは…」


「可愛く淫らに啼く劉輝を知っているのは私だけだ」


耳元に囁けば、肩を震わせ、呆れた表情で振り向いた顔は真っ赤になっていた。


「…兄上…助平なのです…」


劉輝のその言葉に答えるように、2人の甘い夜は続いたのだった。
















−−−−−



自分史上にない性表現でごめんなさい。
清苑の語り口調がだんだんわからなくなって来た。


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