G*
『…んっ』
初めて触れた弟の小さな口は、柔らかく甘い味がした。
『あ、にうえ…』
不安そうなその声に、頭を撫でてやる。
『心臓がバクバクしてます…』
額や鼻先、頬と口付けを落としていくと、クスクス笑いながら身を捩る。
くすぐったいと言う顔を抑えて、再度唇に口付けをした。
今度は舌を出し、劉輝の唇を舐めとり、ビクリと驚いた拍子に開いた隙間から口腔内に侵入させた。
『うぁ!…あ……ん』
劉輝の反応はおもしろかった。
私が動かすのと同じように口腔内で舌を動かす。
そのため、意識しなくともお互いの舌が絡まり、自然と深い接吻を行っていた。
劉輝の舌を吸って顔を離すと、紅潮した顔で呼吸を乱したまま彼が言う。
『あ、あり…ありがとうございました』
今日はこれ以上覚えられないため次回また教えてほしいと。
私はまたも呆気に取られた。
ここからではないのか?
それでも、何度も小さくお辞儀をして室から出ると、パタパタと廊下を走って行く後ろ姿が可愛いと思った。
それから何度か劉輝の方から『勉強がしたい』と頼まれると少しずついろいろな事を教えて行った。
ただ不思議な事に彼は、実際に行うのではなく、身を以て体験する事で覚えて行った。
『あっ、やぁん…兄上…だめ、です!ッあ、ぁあ』
何度目だっただろうか。
初めて劉輝と最初から最後まで行った。
これで弟の勉強に付き合うのは終わりだ。
『はぁっ…兄上、ありがとうございました。今度、女官と試してみます』
私は相変わらず、女官達とも遊んでいたが初めて抱いた同性の、劉輝の反応が思いの外好きだった。
適度に筋肉のついた平たい胸を弄れば身を捻り、濡れ起ったそこを刺激すれば「ゃ、っあん」など女顔負けの声をあげ、収縮する後ろのそこに挿入させれば次第に自ら腰を揺らしていた。
とても淫らで美しかった。
しばらくして劉輝から『また、教えてください』と頼まれた。
女官と行った際、前戯までは良かったのだが、蜜が溢れるそこではなく後ろに挿入させようとして怒って出て行かれてしまったと。
ここは男の場合だと説明したはずだが…。
『私は兄上と勉強した時、とても気持ちが良かったのです。お尻は男女共にあるから一緒だと思ったのです…』
一理あるかもしれないが、女人がいきなり後ろを愛撫されるのは不愉快だろう。
それにしても−−−
『私はとても気持ちが良かったのです』
同性との、自分との行為に快感を見出だしている弟に、清苑は自分でも気付かない程、満足していた。
国王に即位して以後、女官と遊ぶのはパタリと止め、時を見ては劉輝を誘い体を重ねた。
劉輝自身、年齢も上がり更に背丈も伸び成長していたが、最初の失態以降、結局異性をどう抱くのか理解出来ず、快楽を求めて清苑との行為に及んでいた。
『っ、あ、あっ!ん、ぁ…にうえ…愛して、ます』
『っ劉輝、私も…』
『ずっと、ずっと一緒に…』
『私も愛してるよ、劉輝』
そんな頃に、清苑に縁談の話が持ち上がったのだった。
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