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話し終えると妃は清苑に詰め寄った。



「何が…望みだ?」

その距離に臆する事なく清苑が言葉をかける。



「……ずっと、ずっと陰ながら清苑様をお慕いしていました。そんな私を妃に選んで下さった。それなのに、あなたは1度も私を見てはくださらない。この私の気持ちがお分かりになりますか?」


泣き出しそうだが強い口調で答える。



−−−−−私が彼女を妃に選んだのは、透けるような明るい色の長い髪が美しいと思ったから。
姿絵を見た時に、劉輝の髪のようだと…思った。


「1度で良いのです。今夜は私を、私だけを見てください」


妃はそう言うと、自ら夜着を脱ぎ去り裸体になると目の前に立つ清苑の首に腕を回した。


「止めなさい。離れてください」


清苑は体を離そうとさせるが妃は腕に力を込め抱き寄せた相手の唇に吸い付いた。

清苑が驚くのも気にせず、妃はただただ清苑への口付けに夢中になっていた。


清苑が怒りの感情を込めて突き放すと、妃は嬉しそうに笑った。


「清苑様、私を抱いてください」


清苑のそこは衣類の上からでも見て取れるほど、反応を見せていた。


妃は清苑に再度抱き付きながら、衣類の上から撫で回す。


「止めてください!妃がそんな、はしたない事を…!」


「今夜だけ…ですから。これが最初で、最後ですから」


妃は泣き崩れると清苑にすがり付いた。



−−−足元で泣き声をあげる姿が愛しい相手に重なって見えてしまった。


「泣かないでください」


愛しげに頭を撫でてやると、清苑はそのまま相手を四つ這いにさせ、割れ目をなぞり後ろを解し始めたのだった。




「ヤッ!なぜっ、そんな、ところを…」


前触れもなく思いもしなかったところへの刺激に妃は驚きの声を上げる。
それでも清苑の指の動きは止まらない。


「はぁ…っ、清苑さま」


解し終えると、清苑は自分の衣類の前だけを寛げ、自身をそこに宛がって行く。
妃の発する甘ったるい高い声も、淫らに腰を揺らす後ろ姿も、振り乱れる長い髪も、清苑には愛しいあの子に見えていた。


「っ、劉輝…」


『あにうえっ』


「…ああっ清、苑さま、もう、」


「劉輝、愛してるよ」












情事の後、気を失った妃の姿を見て、我に返った清苑は頭を抱えた。


劉輝に似た容姿ならば、愛情を持てるだろうと選んだ相手。
それでも、抱く事はないと決めていたのに。




時刻はとうに日付を跨いでいた。
劉輝は、どうしているだろうか…。



妃の体をきれいにし、衣類を整えると寝台に寝かせ、清苑は自室をあとにした。


いつの間にか、外は雨が降り出していた。














−−−−−
妃が暴走して清苑様が抱かれるのはイヤだな…と思ってたら、なんだか落ち着きました。


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