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「仁王っ!」


今日の合同体育はA組とのドッジボールだ。

3〜4年前まで昼休みには毎日のように遊んでいただろう親しみある球技に意気込む奴も多少いる。


それはもちろん、対抗するA組に在籍する我らがテニス部副部長の真田も同じで。
まああいつの場合、ドッジボールに限った事ではないけれど。



オレはと言うと、そりゃもう天才的に逃げてはキャッチしてパスして。
女子達からの声援が聞こえる。


そんなオレとは対象的に狙われてるのはオレと同じクラスの仁王。、

仁王は器用に避けて回るけどキャッチはしようとしないから、それこそ当てられたらアウトだ。



気が付けばB組の内野は残り数名となっていた。
真田が投げる豪速球にビビって、柳生のヒョロ球にわざと当たりに行くような奴もいたから情けない。


そしてついに、内野に残るのはオレと仁王の2人だけ。
そりゃ狙われやすくなるのはやっぱり仁王で。


相手側のボールが真田に回った。

その瞬間、つい身体が動いたのは仕方ない事だと思うんだ。
好きな奴があんな豪速球当てられてケガでもしたら気が気じゃない。


両腕でしっかり腹に押さえ込んだと思ったボールは、腕の横を転がり落ちて試合終了となった。







「はあ…手加減ぐらいしろっつうの」


ヒリヒリする腕を水道で冷やしていると近づいてきた人の気配。


「ったく、ブン太も無茶しよるのぅ」


「うっせ」


「…テニス出来そう?」


「ああ、それは平気」


さすがにテニスに支障が出たら幸村くんに言い付けよう。


申し訳なさそうに腕に触れてきた仁王の手はヒヤリとしていて気持ちが良い。


「別に守ってくれんでも良かったんに…」


「だってお前色白いから腫れたら目立ちそうだし」


「…」


「それに、もしケガでもしたら真田が付きっきりでお前の看病しそうだし…」


第一、お前はオレの彼女だから守ってやらなきゃなんねえし、って抱き締めながら言えば、赤く腫れた腕を叩かれたのだった。








おわり


出来たのを保存しないままコピペ失敗してへこみました…。

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