ビターチョコレイト(柳)




「はぁ…」

「仁王」

机に伏せた仁王がため息を漏らした。
静かに声をかけると顔を上げる。
その表情は何とも疲労した顔をしていた。

「…女子達のあのエネルギーは何なんじゃろか」

「…」

机の回りにある紙袋には、今日渡されたらしき大量のバレンタインプレゼント。

「俺甘いの苦手って公言しとるのに、受けとるだけでいいからって…嫌がらせかっつうの」

再び机に伏せてぼやくあたり、相当疲れたのだろう。
丸井や赤也は嬉しそうに下校していた姿を見かけたが。

「……仁王、これならどうだ」

「なん?」

俺の問いに顔を上げた。

「!?」

「甘くはないだろう?」

顔を離してニヤリと笑う。

「…甘過ぎじゃアホ」

仁王は不意打ちに弱い。
顔を赤くしてポーカーフェイスを気取る姿が愛らしい。

「お前からはないのか」

「……参謀、」

『好いとうよ』

頬に触れた唇に満足して髪を撫でると仁王は嬉しそうに笑ったのだった。






おわり



初柳仁。
柳さんのキャラがいまいち掴めなくてですね…小ネタにあげるつもりがこんな感じになりました;;





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