※チョコレートデー

「ねぇねぇ、仁王くんてホントにチョコ嫌いなの?」



今年ももうすぐバレンタインがやってくる。
女子達は義理チョコ友チョコはもちろん、本命チョコへの気合いで活気づいていた。


「マジマジ。チョコっつうか甘いの嫌いだぜ」


「えー…」


仁王にプレゼントを渡す予定でいた女子達にあいつの好みを相談されるのはバレンタインに限った事ではないが。




「(…けどまぁ、あいつチョコバナナは好きだよなー)」



「ちょっとー丸井くん聞いてる?」


「おーワリィ、オレもう帰るわ」


「えー」


「オレはチョコ大歓迎だからシクヨロ!」



女子達の非難を受けながら教室を後にする。
そして向かう先はもちろんーーー









「仁王帰ろうぜ」


「ブン太の阿呆」


「…何、突然」


「寒いから早く帰りたいんに女子に捕まった挙げ句チョコねだるとかホンマたらしじゃな」


「ねだってねえし。つうかお前がチョコ嫌いだって教えてやったんだから有り難く思えっての。毎年毎年匂いだけで気分悪くしてるってのに断らねえお前のがタラシだろぃ」


先に昇降口にいた仁王が不満そうに口を開いたかと思えばただの嫉妬。


「つうか、先教室出たのに何でチョコの事知ってんだよ」


「…プリッ」





顔を背けた仁王が先に歩き出したのを慌てて靴に履き替えて追いかけた。













「……ん、っ…ふ」


仁王は可愛い。
結局、寂しがりで嫉妬深くてオレの事が大好きなんだ。



「っ、…仁王、」


「は、…なん、」


オレの性器から口を離し、ベッドに腰掛けるオレを見上げる仁王を見れば更に欲は高まるわけで。


「もうすぐバレンタインだからさ、オレからも逆チョコやるよ」


「…」


そう言ってニヤリと笑えば仁王は顔を赤らめた。





「お前ホントに甘いの嫌いなの?」


眼前で焦らすようにチョコレートシロップを塗りつける間、物欲しそうに見つめてくる仁王に疑問がわく。


「クリスマスに生クリームやった時も嬉しそうだったし」


「……さあのぅ」


「まぁいいけど。…にしてもここもさっきより勃ってんじゃん」


「っあん、…」


既に制服など身に纏ってない仁王の性器はもちろん、腕を伸ばして乳首にチョコを塗りつければ仁王が鳴いた。


「それに否定しないって事はこれは有りって事だろぃ」


「っあ、はぁ…ん」


乳首を摘まんだり捏ねたりしながらチョコを塗る。
まるでコーヒー豆の飾られたちょっとビターなチョコムースみたいで思わず舐めたくなる。


「ブン太…」


「ん?」


「足痛いんじゃけど」


そりゃそうか。
床に正座して必死に奉仕してれば痛いわな。
だけどホントは。



「もう入れられたいんだ?」


「違っ」


「でももう少し我慢な」


更に顔を赤くして否定する仁王は何て素直なんだろう。
ベッドに上がると壁に寄りかかり腕を広げて呼べば仁王が意味ありげに笑う。


「そんなん言うてブン太ももう入れたいんじゃろ」


「残念でした、オレはメインの前にデザートから食うんだよ」


仁王を腿の上に抱き寄せるとさっきチョコを塗りつけた胸に舌を這わせる。
これでもかと言う位丁寧にそして優しくキレイにしてやった。


「あぁ、ッ」


「……」


「…ブン、太」


「仁王はこれ舐めたいんだろ?」


2人の腹の間でチョコにまみれてテカテカ光るオレのそれ。


「…ッ、」


「それとも…こっちで食う?」


喉を鳴らした仁王と視線を合わせたままケツの間に指を這わせる。


「んッ、や」


「…スゲー濡れてる」


仁王のそこは既に濡れていて、1本入れた指は難なく飲み込まれた。
更に少し腰を寄せて仁王の薄く硬いケツを左手で揉めば中はキュッと指を締め付ける。


「ふっ、ん…ブン太…」


「何?」


「チョコ垂れてまうよ?」


「…それは早く入れろっておねだり?」


「…、何とでも…はっ、ァアン!」


指を増やして中で動かせば仁王は更に可愛い声を上げる。


「腰揺らしてヤラシーなお前…」


「っふ、ん」


「こっちは蜜垂らして…オレのチョコより垂れてんじゃねえの?」


今まで触っていなかった仁王の性器にようやく触れてやる。
先走りでヌルヌルしたそれはテカテカ光ってフルフルと震えている。


「…っはあん!…も、ブン太の、バナナくんしゃい…ッ」


「っ、…仕方ねぇな」


正直オレも煽られ通しで限界が近いけど、仁王のおねだりは聞いてやらないと。
だってバレンタインプレゼントだし。


「じゃ、入れるぜ」


「…ん」


オレの首に腕を回した仁王の腰を掴むとオレも仁王の尻に性器を宛がった。










「はあっあん、ブン太…ッ!」
「…っ、仁王…」






















「実際甘いのどうなんだよ?」


「…好かんのぅ」


行為の後、仁王を抱き締めながら問いかけるベッドの中は微かにチョコの甘い匂いがする。


「そのわりにエロかったけど」


「…エロいのとチョコの好き嫌いは関係ないじゃろ」


「なんつうか、いつもより一生懸命で可愛かった」


「喜んでいいんか?」


「さぁ?」


「……ブン太だから、好きなんじゃ」


「…は?」


ボソッと言われた言葉が可愛くて、でもすごく予想外の理由に驚いてマヌケな返事をしてしまった。


「…もう言わん」


「え、ちょっゴメン!もう1回!」


「絶対言わんからな」


普段の照れた時の仁王は頑固だ。
まぁ、しっかり聞き取っていた言葉を聞き返してるオレは性格悪いなあと思うけど。


「女子からのチョコ断る分、仁王からのプレゼント期待してるぜ」


「…お返しは3倍返しでな」





甘い匂いのするベッドの中で甘い匂いをさせる仁王を抱き締めて、チョコレートみたいな甘い時間を過ごすのも悪くないと思った。







おわり














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