おまけ

「おっつかれ〜」


今年も無事に演劇発表が幕を閉じた。



そして部室では反省会と言う名の打ち上げが始まろとしていた。





丸井の音頭でそれぞれ掲げていたジュースを飲み交わし始める。


「あーあ、今年こそ仁王の相手役になれると思ったんだけどなぁ」

「全くだぜ、何だよ比呂士ー」


元の話通りで進めば勝者は太陽になるのだが、北風の一言をきっかけにブーイングが始まった。


「そうですよ〜俺だってダセエ場面しかなかったっす!」

「そんな事言うなよ赤也…俺なんか台詞もないんだぜ…」



今回まさかのラストを奪った柳生本人はとても満足気に仁王に声をかけた。



「仁王くん、今年もお疲れ様でした」


「おぉ柳生、お疲れさん」


「それにしても今回は私に相手役が巡ってこようとは…私感激しております」


誇らしげに語る相手に仁王は少し後退りたくなった。


「これから二人だけで打ち上げに行きませんか仁王くん」


「…いや、」


どこぞの合コンでのお持ち帰り文句のような言葉に身の危険を察した仁王は苦笑を浮かべる。



「仁王!」


タイミング良く名前を呼ばれて安堵しながら振り向けば今だ以て上半身裸の真田だった。


「そろそろ上着着たらどうじゃ…」


「これ位の寒さ、日頃の鍛練があれば臆する事はあるまい」


「……」


その雰囲気に圧されて顔を引き釣らせていると後ろから肩を叩かれた。


「…参謀か」


「俺は今回、登場すらしてないんだがな」


「ナレーションええ声しとったけどな」


「そうか」


褒めれば柳も少し表情を和らげる。




「よし決めた!」


しかし突然発せられた言葉に嫌な予感をしながらも声の主を見る。


「今から7人で対決して勝った奴が仁王を持ち帰り!」


笑顔で言い放った幸村には全員から大ブーイングが巻き起こったのだった。






「誰もテニスで、なんて言ってないのに」
「それはそれで自分の一人勝ち宣言しててムカつくんだけど幸村くん…」






おわり



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