翌日、赤也が目を覚ますと、庭に大きな豆の木が天高く伸びているではありませんか。



「やっぱり本当だったんだ!」



赤也は豆の木をどんどん登って行きました。

家が豆粒のように見えます。





雲の中を通り抜けると、天の世界です。
そこには、お菓子で出来ているような甘い匂いが漂う大きなお城が建っていました。



「誰が住んでんだ?つうか、腹減ったなー…」



板チョコのような外観をした門を叩くと、銀色の髪をした綺麗な人が気怠そうに出てきました。



「あ、あの、おはよう…ございますっス。何か食べる物くれませんかね」


その人は頷くと、無言で赤也を家に入れ、ぶっきらぼう気味に食べ物を出してくれました。



「登って来たから腹減っちまったんスよ」


食べながら、赤也がこのお城について尋ねると、ここはワンダーキャッスルと言って、自分の名前は仁王、そして先程機嫌が悪かったのは寝不足と低血圧からだと笑いながら教えてくれました。


「あの、ここ虫刺され痒そうっスね。今度俺んちの虫除け持って来ますよ」


赤也が首元を指差しながら話すと、途端に仁王の表情が変わりました。
少し頬を赤くしながら、苦笑気味に礼を言います。



赤也が食べていると、突然ドシン、ドシンとすごい足音が響いてきました。



「ブンちゃんじゃ。大変だっちゃ、お前さんを見つけたら食われてしまうぜよ。ブンちゃんは人食い鬼なんじゃ」



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