AutumnA
《秋といえば・2》
「仁王仁王!このチョコ季節限定なんだって!旨くね?」
「うまいけど…ブンちゃん。ちょーっとお菓子控えた方がいいと思うんよ」
「はぁ?体重増えてねえぞオレ」
―――まるで赤い小さな果実のように艶やかなあなたの口唇
「ほらスポーツの秋って言うだろ?だからここに出てるお菓子食べるのやめて今からテニスやろ」
「んー…だけどここ置いとくと赤也に食われっからなぁ。………今お菓子、食べちゃダメ?」
「っ!!(上目遣いとか可愛いすぎるわブン太…!)」
「なーあ、食べちゃ…ダメ?」
―――まるで私を誘うかのように紡がれる音
「……仕方ないのぅ。テニスは菓子食べ終わったらにし」
「やーりぃ!やっぱ秋っつったら食欲の秋だろぃ!!」
―――あなたは私の想いに気付いているのだろうか
「柳生、さっきから何書いてるんだ?」
「桑原くんですか。落胆する仁王くんを綴ってみました」
「……楽しいか、それ」
「丸井くんに頭の上がらない仁王くんというのもなかなか面白いですよ」
おわり
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