パラレル4篇〜看護士と患者〜
《看護士と患者》
「…ッホ、げほっ…ごほっ」
「…いつ頃からですか?」
「…3日前ぐら、ぃ…ゴホッ」
「熱測って来たかよ?ちゃんと朝昼晩、ご飯食べてますかー?」
「…熱は、昨夜37度5分で、飯は…食いたくなか…」
「…はぁ〜。飯食わなきゃ薬飲めねーだろ。食ってないなら点滴になっかなぁ…。一応もっかい熱測って」
「ん」
―――――
「…38度6分」
「上がってんじゃん」
「丸井さん、可愛ええからドキドキするんやもん。ナース服がパンツなんが残念ぜよ…彼氏おるん?」
「…オレ男だし。眼科の予約も取りますか」
「遠慮しときます…」
「診察の前に、採血しますね。ギュッと強く握ってくださいねー」
「ほー、丸井さんはドえむ、って痛ッ!んな叩かんでよ…」
「だって、お前血管細すぎて見えねーんだよ。…あ、あった」
「……」
「はい、指ラクにしていいですよー。じゃあ、呼ばれるまで診察室の前でお待ちください」
「…ごほっ、ゴホ…うぇっ…血ぃ採ったからフラフラして気分悪い…」
「えっ!?じゃあ、呼ばれるまでちょっと寝てるか?」
「…丸井さん、俺の専属ナースになって膝枕してくんしゃい」
「…………よし。…………あ、すみません、採血室の丸井ですけど、精神科の柳生先生お願いします」
「ぴよっ」
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