おつとめしたい(〜4/20)

※高校生



「ブンちゃん!俺決めたぜよ、高校卒業したらブン太んとこに就職する!」


「…はぁ?」


「俺が入れば、ブンちゃんちは将来安泰ぜよ」


「いやいや、オレんち会社やってねぇし。………つうか、安泰てゆうより、オレらじゃ繁栄出来ねぇし。それに…付き合ってるのも、お互いまだ家族に挨拶してねぇじゃん、…つうか、お前が婿来るんじゃなくて、オレがお前んとこに入んのが普通じゃねぇの?!(恥ずかしさに、だんだん小声)」


「…?俺の情熱と体力があれば毎日確実に成功する。将来絶対繁栄出来る!それよりも、挨拶というか面接が問題ぜよ…当日は柳生のフリでもしようかのぅ…」


「バッ、何シラっとハズい事言ってんだよ!?お前どんだけ体力有り余ってんたし、オレが無理だっての!!てか、面接とかゆーほど、オレんち、んな厳しくねーって。…まぁ、男同士とか驚くとは思うけど…。柳生のフリして来たって意味ねぇだろぃ、オレもイヤだし…」


「それもそうじゃな」


「でっ、でもいつ話すんだよ?オレもいないといけねぇんだし…あー!やべー、キンチョーしてきた!」


「いや、ブン太は俺と一緒より、お前なら不二んとこのが合ってると思うぜよ」


「…え、何だよソレ?オレはお前と付き合ってるのに、不二んとこって意味わかんねぇ!」


「だから、ブン太の腕なら、不二家でも立派なケーキ職人として通用すると思うんだが」


「は?…不二家?…じゃあ、お前の言ってるオレんちって…」


「マルイ?」


「……期待させるような紛らわしい言い方すんじゃねー!!」


「ピヨッ」


「ピヨじゃねぇっつーの!!オレだけ舞い上がっててバカみてーじゃん!仁王のバカ、アホ、詐欺師!」


「…まあまあ。ブン太が俺との将来を、そこまで考えてくれてて嬉しかった。それに、俺がブンちゃんの永久就職先なのは一生変わらんから安心しんしゃい」


「…こんなペテン師さっさと辞めて、赤也んとこでも受けてみっかなぁ…」


「え?!」






後日。



「仁王先輩!俺仕事の採用決まったんスよー」


「お前まだ2年じゃろ?」


「そーなんすけど、何か話してみたら気に入られちゃって、是非うちに!って」



「ほー…どこに決まったん?」


「マルイっス」


「!?…あぁ、あのトレンドファッション中心の」


「違いますよ〜」


「…?」


「俺が決まったのは食品担当っス」


「食品もあったとは知らんかったナリ」


「だけど、すげー値切ったり、毎日通われたりしそうで今から怖いっス…」


「んな、市場じゃあるまいし…」


「やー…先輩もよく知ってるでしょ、あの人の食欲」


「知らんわ!誰じゃ」


「…ブン太先輩?」


「……(え、マルイ繋がりで出ただけか?それとも赤也の就職先がブンちゃんなんか?)」



「仁王先輩…?」


「お前ら何話してんだ?」


「あ!ブン太先「!!ブンちゃ〜ん!!」


「ニオ?」


「ブン太は、本気で生涯の相手に俺より赤也を選ぶんか?しかももう、親にまで紹介済ませとるなんてひどいぜよ…」


「ぁ?何言ってんだよ?」


「赤也がブンちゃんちに就職決まったつて…」


「あー…マルイで春休み中のバイトだろ。初めてバイトするっつうから短期で受けてみろとか言ったけど、まさか決まるとはなー」


「…バイト?」


「そっすよ?」


「マルイって、ブン太んちと関係あるん?」


「何も」


「やー、まさか仁王先輩がひっかかるとは。この前の話ブン太先輩に聞いたからやってみたけど、仁王先輩て普段ポーカーフェイス気取ってるわりに、意外と普通なんすね」


「……プリッ」





おわり

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