a bean-throwing ceremony

『最初はグー!じゃんけん、』



ポン!と言う賑やかな掛け声と共に出された手を各自見回す。

8人もの人数では中々決着が着かず、何回かあいこが続いた末、負けたのは―――





「イヤじゃー…」

「いつまでも我儘言ってんなって」


結果が決まった後から駄々をこねる仁王と、それを宥める丸井をレギュラー陣は半ば呆れながら眺めていた。



「仁王先輩、早くしてくださいよー」

「…じゃあ赤也がやりんしゃい」

「イヤっす」

「即答か…」

「つうか、お前がそんなに嫌がる意味がわかんねえんだけど」

「嫌じゃろ普通!俺の可愛ええブン太に豆投げるなんて出来んって」

「…はぁぁ?…仕方ねえだろ、じゃんけんで決まったんだし。それに鬼いなきゃ豆まきになんねえじゃん」

「じゃんけんで決めんでも適役がおるやろ…真田…いや、幸村に鬼やらせれば良いんじゃ!」

「……ふふ、そんなに豆投げ付けられたいならお前がやればいいんじゃないかな?鬼」

「…謹んで遠慮させて頂きます…」


幸村の一言で、仁王の体感温度が下がったのは確実だった。






「弦一郎、良かったな今年は鬼に当たらなくて」

「…ああ。去年は確か幸村の病室で騒いでしまって叱られたからな」


「大体、俺が本気で投げ付けるはずないだろう?」

「ブン太にはともかく、俺には目がマジやった…」


「14…15、っと」

「あー!丸井先輩豆残ってますって」

「えー?食ったってば、ピーナッツ」

「ぷ「プピーナッツとか言わないで下さいね仁王くん」

「…っ!?…そんなちょいダサな事は言わんぜよ…」

「…それは言うのか…?」

「プリッ」





おわり

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