夏に向けまして。
「…仁王、ストップ」
「…?」
「またネクタイまがってるぜ?」
「いやーん、ブンちゃん新妻みたーい」
「…仁王くんキモーい」
「…」
「そういや、来週中間だな」
「そうだな」
「部活もないし半日だし、面倒だからネクタイしなくて良くね?」
「ブンちゃんは、第一までボタン止めてキッチリ絞めときんしゃい」
「…何でだよ」
「襟元開けれない理由作っちゃろうか?」
「やめてくださーい」
―――――
「あ、仁王マジでネクタイして来なかったのかよ」
「ぴよっ」
「真田に見つかっても知らねえからな」
「任しときんしゃい」
―――――
「仁王っ!ネクタイはどうした!?」
「…ほら見つかったじゃねえかよ」
「真田か。ネクタイはして来なかったナリ」
「何っ!?」
「今はどこも節電中だからな。電車も冷房入らんから暑いし」
「だから何だ」
「…クールビズだっちゃ☆」
「はぁ?仁王、真田にそんなん通じねえって」
「……うむ」
「え?」
「お前も中々世間を気にかけているようだな」
「はぁ?」
「よし、蓮二に掛け合って、我が立海も節電に貢献するよう生徒会に進言してみるか」
「マジで…?」
「見直したぞ、仁王!」
「…ありかよ、クールビズ…」
「だから言ったじゃろ」
「…オレも明日は外してこよう」
「ブン太はダメ!」
「んでだよ」
「…ブンちゃん、胸元ぐらいまでボタン開けるんやもん、理性がもたん」
「……お前はいいわけ?」
「作者が描いたから有りじゃろ」
「……お前は無駄に色気放ちすぎなんだよ、バカ!」
おわり
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