Pudding
「ブンちゃん、後食べていいぜよ」
「何、もう食わねえのかよ？」
「ん。やっぱり甘過ぎじゃ…」
「プリンだしな。じゃ、いただきまー………」
「…どしたん、ブン太」
―――コンビニで仁王が、珍しくプリンを買った。
「めっずらしい〜」とからかえば、「食い切れなかったらブンちゃんにやる」と言われていたのだ。
「……何でだよ」
―――が。
「は？」
「お前、何でカラメルとプリンとを混ぜるんだよ！」
―――半分も食べずに渡されたプリンは、カップの中で原型をとどめていなかった。
「え？」
「プリンっつたら、あのプルプル感が楽しみじゃねぇのかよ！」
「……」
「つか、食べきれないなら普通混ぜないだろ！」
「…食えれば同じじゃ」
「…仁王のバカー！」
―――プリンでケンカしたある春の日。
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