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運命の赤い糸って、見たいようで見たくない。

もちろん迷信なのは承知済みだけれど。

もしも自分の好きではない人と自分が繋がっていたら?

今の彼氏とずっと一緒にいたい!と乙女の妄想のようで実は割と切な願いが、赤い糸で繋がっていなかったら?


やっぱり赤い糸なんて好んで見るもんじゃない。



「ねぇ?遼」

「は?何がだよ」


しかめっ面でテレビから目を反らした彼氏。

人相悪いなー、なんて。


「なんでもないよ」

「お前時々そういうとこあるよな。何かのサインかよ?はっきり言わねーと分かんねぇから、微妙な言い回しすんなよな」

「特に意味はないよ。強いて言えば構って欲しいけど」

「あっそ」


遼は素っ気ない返事をして、素っ気ないキスを私にした。

冷たいようですることはきちんとする。

私も今はそんなに濃厚な触れ合いがしたい訳でもなかった。


「私、遼のそういうとこ割と好きだよ」

「どういうとこだよ」

「なんだろうね。言葉では表せないや」

「んだよそれ」


ハッ、と鼻で笑って、遼は再びテレビに視線を戻した。


「ねぇ、遼はいつまで私と続ける?」

「区切り付けんのかよ」

「明確な数が欲しい訳じゃないよ」


遼はテレビをつまらなそうに見たまま、ポツリと言った。


「結婚する?」

「遼のそういうとこ、割と好きだよ」

「どーも」



運命の赤い糸はきっと、証明の出来ない心の繋がりだと、私は思う。





そこには赤い糸があるの。






――――――――――――――

赤崎は淡白でも愛はきちんとありそうです(笑)
実は一番波乱万丈もなく、そつなく結婚をするのは赤崎なんじゃないかと思います。
企画『ドヤ顔ダーリン!』に提出させて頂きました。

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