3
ここは、ギルド春風〈ハルカゼ〉。街の中心街より少し外れた場所にある、市民とギルド員を繋ぐ施設である。
ここには、初心者ともいえるFから化け物と呼ばれろS まで様々な者が所属しており、依頼の受注報告の為に沢山の人でごった返していた。
「ハゲのおっさん、これ受けたいんだけど」
「俺にはグルーヴという立派な名前がある。これはハゲじゃなく、スキンヘッドだと言っているだろ。あと、お前さんにはまだ早い。よく見ろ、Cランクからになってるだろ。お前さんにはこれとかどうだ、『赤耳ラットの討伐依頼』」
「ありがと、これにするよ。
ハゲのおっさん」
このようなやり取りが5人いるギルド職員と依頼を受けようとするギルド員で行われていた。
ハゲのおっさんと呼ばれていたグルーヴは、ギルド職員の中では古株で、かつてA ランクのギルド員『土竜』として活躍していたが、結婚を期にギルド員を辞め、駆け出しへの教育の傍らギルドの受付としても働いていた。
「グルーヴさん、おはようございます」
「ああ、ローザの嬢ちゃんか。いつものだろう? 」
[ 3/3 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]