ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン

ひたすら鳴るチャイム。

「あぁハイハイ出ますよ、出ますってば!!」

ったく、一回鳴れば分かるっての

イライラしながら、ドアを開いたその瞬間、

人が倒れ込んできた。


「おわ!?」

咄嗟に、その体を受け止める。


「っと…ってディド!?」

「っ…ごめん、カイリ」

倒れ込んできた人物を見ると、ふらふらで、尋常じゃないくらい顔色が悪くなったスプレンディドだった。

「アンタ何してきたの!?」

「いや…クリプトンナッツを手にした双子に追い回されて…おぇつ」

まだクリプトンナッツの効力が残っているのか、えずくディド。

「ちょっ、ここで吐かないでよっ!?」

流石に玄関先で吐かれては、たまらない。

「ほら洗面所行こっ洗面所」

「あ、あぁ…」



「吐けたー?」

吐いてる所を見ているのもアレなので、洗面所の入り口から、中のスプレンディドに呼びかける。


「ま、まだ…うっ」

「ったく、何してんの」

「いや…なんか吐けなくて…」


おいおい…

「あぁもうしょうがないなー。手伝ってあげる」


中に入ると、洗面台と悪戦苦闘しているスプレンディドがいた。

「ほんとごめんね、カイリ」

「別にいいから、ほら口開けて」


「口?おふっ!!!?」

半開きの口に指を差し込む。

いきなりの事に驚くスプレンディド。

「ほぅら口開けてー、吐きたいんでしょ」

口の奥へ指を持って行く。


数秒後、体内を逆流した酸性の液が、口から溢れ出した。

当然私の手にもソレはかかる。

「んっ…ふっ、はぁっはっ」

ゲロったため涙目なスプレンディド。

正直にいいます、ムラっときました。

「ねぇディドー」

「はっ…ん?」

汚物のついてない方の手をスプレンディドの頬へと持っていく。

「ちゅーしていい?」

「えっ!?ちょっ、待っ」

返事も聞かず、抵抗しようとしたスプレンディドの手を制しキスをする。

開いた口内に舌を侵入させて犯していく。

「っふ、んっ…はっぁ」

あーやっぱり、ゲロの味だなぁ。

まぁ、好きなやつのだから嫌じゃないんだけどね。

にしても、涙目で応えるスプレンディドは大分可愛い。

「ふっ…でもやっぱすっぱい…」

「だっ、だから待てと言ったじゃないか!!早く口を濯げっ」

赤面してそっぽをむくスプレンディド。

いちいちキュンとくる仕草しやがって。

「ディドのだから構わない。それよりもっかいキスしてい?」

苦笑しながら、愛しのヒーローの額にキスを落とす。

「っな、カイリ!?」

頬を真っ赤に染め、驚いた顔でこちらを見上げるスプレンディド。

どうしたらそんな可愛い顔出来るんだ…。


あぁもう本当に、

「大好きだよ」



吐露物さえ愛す



●●
prevnext
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -