「見て見てー、ミストちゃん!!」

「ぐぇっ」

いきなり後ろから抱きつかれ、首が締まる。

「ゲホッゲホッ、い、いきなり抱きついてこないでよ…ってアンタなにその格好」

抱きついて来た…否、いきなり首を絞めてきた本人、カイリを見て私は驚いた。

いつもはバリバリスカートな彼女が、小綺麗な男物のスーツを纏い、髪を結っている。

一見すると、端正な顔立ちをした美男子だ。

「男装してみたんだー、どうかな?」

「ど、どうって…、ま、まぁかっこいいんじゃないの?」

「ほんとー?ありがとー」

にへへと笑う彼、じゃなかった彼女。

「じゃあ、今日は男になりきっちゃおうかな」

「へ?」

「ミストちゃん」

いきなり私の前に跪くカイリ。

何をするかと思えば、私の手を取りキスを落とした。

「な、ばっ」

こちらを見上げて微笑むカイリは美男子そのもので、一気に鼓動が跳ね上がる。

あ、あああ相手はあのカイリよ!?何、ドキドキしてんのよ私!!

「ばばばば馬鹿じゃないの!?お、おお女のアンタにこんな事されたって嬉しくもなんともないわよ!!」

「ミスト、キョドってるよー?」

「きょ、キョドってなんかないわよ!!」

「あれ?まさか男装した私にときめいちゃったとか?」

ニヤニヤとした笑みを浮かべて立ち上がるカイリ。

「っ、そ、そんなわけ…」

壁際に追いやられ、壁に押し付けられる。

「な、カイリ?」

「いやー、なんでだろうね。男装してなりきったからかなー ミストちゃん見てたら欲情してきちゃったっぽい」

「は、よ、よくじょう!?」

不意に太ももを撫で上げられた。

「ひぅっ」

変な声が出てしまう。

「ミストちゃんかわいー」

「う、うるさいっ いい加減にしないと怒るわよっ」

精一杯の力で彼女を押しのけようとするが、何故かビクともしない。

腕力は、本来の性別が男の私の方が、女である彼女よりは上な筈なのに、な、なんで!?

「あれ、ミストちゃんもしかしてさっきので力抜けちゃったかな」

「な、うそ…」

「あー、でも本当に嫌だったら言ってね。仲間強姦する趣味ないから」

そう言って首筋を舐めあげるカイリ。

「ひ、ぁっ」

嫌だと言えば止めて貰えるというのに、声が出ない。

先程から彼女に触られる所が熱い。

もしかして、私は期待してしまっている?

彼女に、カイリに?

「っ、あ」

そうこう考えている間に彼女の手が、私のソコへと触れた。

「わー、勃起してるー そういえばまだミストちゃん、未工事だったっけ」

「ち、ちが ぁ、や そんな所擦っちゃ…ひぅッ」

与えられる快感に我慢出来ず、カイリにしがみつく。

なに、コイツ無駄に上手い。

「あ、は ぁっ」

「違うって何が?女の私にこんな事されて勃っちゃった事?」

「ん、ぁ や やだ激、し」

「先漏れまでさせちゃって、やっぱりミストちゃんって変態なのかな」

小憎たらしい笑みを浮かべ、キスを落としてくる。

「っひぁ…も、だめ カイリ、いっちゃ 」

「ん。いいよ出して」

私はカイリの手の中で射精した。

「はっ…ぁ」

ズルズルと床に落ちる私。
完っ璧に力が抜けてしまった。

「大丈夫ミストー?」

「…アンタのせいでしょうが」

「ごめん、ごめん、つい調子に乗っちゃった」

申し訳そうに頭を掻くカイリ。

「えっと…怒ってる…?」

「当たり前でしょ」

こんな事されて怒らないわけがない。

でも、正直言うとそんな嫌ではなかったわけで…。

何度も頭を下げて謝るカイリを、今回だけ条件付きで許してあげる事にした。

私ってばなんて優しいのかしら

「明日、買い物に付き合う事。それと腰抜けちゃって歩けないから部屋まで私を運ぶ事!それを条件に許してあげるわっ 感謝してよね」

「マジで!?ありがとー 良かったぁ ミストに嫌われたらどうしようかと思ったー」

本当に安心したようにため息をつき、立てない私をお姫様抱っこする。

そう思うなら初めからすんなっつの。

「…あー、ミストちゃん。ちなみに、そのー…、どうだった」

どうだった?

「何が?」

「だから…さっきの、ねぇ」

一気に顔が熱くなる。

ば、ななに聞いてんのこの子は!!!?

「ミストちゃんさえよければまたやらせて欲しいなぁ…、なんて」

「っ、あ、アンタさっき反省したんじゃないの!?」

「い、いや、反省はしたよ!? だから同意とってんじゃんっ」

「ど、どど同意って」

コイツ全然反省してないじゃないの!!

どういう神経してんのよ全く!

同意なんてする筈が…

「ミスト?」

同意なんて…、同意なんて…

「…わよ」

「え?」

聞き取れなかったようでもう一度聞き返してくる。

あぁもうじれったい!

「だ、だから同意してあげてもいいって言ってんの!」

「嘘!?本当っ!?うっわ、嬉しっ え、じゃあこのまま私の部屋で続きしていい?いいよね!イヤッホー!!」

「は!?ちょ、待っ

アッ――――――!!」



愛情と性欲は比例する



(馬鹿!ほんと馬鹿!死ね!!)
(ごめんってばー、機嫌直して〜)



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