スクール

「ほうら俺の言う通りになったでしょ」

ボインゴの予言からその結果まで、原作と寸分違わずにやはりその通りになった。
これ以上予知を行えばさっき言ったようにアンタは眉間に弾丸を食らうか、それ以上のことになるとホル・ホースに告げれば、奴は顔をくしゃりと歪めた。

「車の中のボインゴと一緒に大人しくこのまま撤退する方が身のためかと。DIO様もアンタの処分云々の前に死ぬだろうし」

「...本当に本当なんだな?」

「ああ」

DIOには死んで貰わなければ車で待機しているダニエルさんの命もやばいし、俺は元も子もない。

「くそ、金も全部パァかよっ...」

「なんだったらホル・ホースさんもついてきます?DIOと承太郎の戦いの間は館もぬけの殻になりますから少しくらいは儲かるかと」

「マジで?」

ホル・ホースの目が輝いた。あーあ、自分で言い出しておいてあれだけど、この人も懲りない。保身第一にすりゃあいいのに。

「何を話してんだテメェら」

瞬時にホル・ホースが壁に叩きつけられ、組伏せられる。わあお、ポルナレフ激しい。未だ夢心地で実感湧かない俺でも流石に目の前の体格のいい男が一瞬で吹っ飛ぶと驚いちゃう。

「うわ、大丈夫ですかホル・ホースさん」

「大丈夫な、わけあるか...!」

メギャンした利き手はポルナレフに押さえつけられ、俺の方もチャリオッツの剣先が向いているので迂闊に動けない。まあ動くつもりは毛頭ないけれど。

「あのー ポルナレフさん、館の場所もう分かりました?」

「は?」

「交換条件飲んでくれたらこれが案内しますけど」

ホル・ホースを指差して告げる。
来るとは思っていたけれど、ポルナレフさんちょっと来るの早い。

「はあっ!?ちょっ、カイリ何言ってんだ」

「俺元々そのつもりでしたし。情報提供もしますんで、ね?」

此方を睨んでくるポルナレフさんを正面から負けじと見据えていると、背後から複数名の声がした。
ポルナレフ、と呼ぶこの声は見ずとも分かる。

「こんにちはー」

言って、にこやかに振り返れば、そこにはやはり空条承太郎がいた。もちろん、アブドゥルやジョセフ、花京院もいる。

「DIOのスタンド、知りたいですか?」

臨戦態勢になった彼らにそのまま笑顔で問えば、空気が固まった。

「なっ...」

「お前は一体...」

「とりあえずそこのひと解放してもらっていいです?多分もうスタンド出したり馬鹿な真似はしないと思うんで」

躊躇うポルナレフに、ジョセフが離すように促した。ゆっくりとホル・ホースからポルナレフが離れていく。

「げほ、けほっ...」

咳き込むホル・ホースを横目に、彼らに自分の目的を話すべく口を開く。

「助けたい人が、いるんです」

「...それがお前の交換条件か?」

ポルナレフの言葉に頷く。

「はい。館まで案内しますし、貴方達が望むなら情報提供もしましょう。...助けて頂けますか?」

「うむ...、いいだろう」

「ジョセフさん!」

「他に情報もないんだ。仕方がない。だが、嘘だった場合は分かっているな?」

ジョセフの言葉にポルナレフのシルバーチャリオッツが、再び降り下ろされた。顔の真横で制止したそれにホル・ホースが掠れた悲鳴をあげる。

「はい、もちろん」

「して、お前の助けたい人間とは?」

俺の助けたい人間。それは。

「テレンス・T・ダービー。

貴方達が倒したダニエル・T・ダービーの弟で、DIOの部下でもあります。

彼を、助けたいのです」











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