▼恋人設定
「ぶええっくしょん!!」
「色気ねぇな」
ガクブル。まさに今の私の状態だと思うこれ、うんぴったり。豪快にくしゃみをかました私を横でナルトが呆れた顔をして見ている。何よ言いたい事があるのならはっきり言えばいいじゃないの。色気がねぇとか…あ、これさっき言われてた。兎に角今の季節、寒さが際立つんだからくしゃみの一つや二つ許して欲しいものだ。
「少しは俺を意識しろよ」
「ナルトの事は意識してるよ?でもナルトの言う意識となると、目も合わせない、手も繋がない、チューも勿論部屋に招くなんて夢のまた夢の話だよ?それでもナルトは平気?」
「キツイ」
「即答か!」
思わずツッコミ入れたけど本当即答だったよナルト!まさかの返答に半笑いになった私の顔をナルトがデコピンではじく。いてーよ。はじかれついでにおっちゃんが負けてくれたホットウーロンハイをぐびっと煽った。相変わらずんまい!そう言うとその酒に美味いも不味いもねぇよとおっちゃんが笑った。
「今年も年末はヤバそうだな」
「あの書類の山の時期がもうやってくるのかぁああ…」
「ま、その後には慰安旅行もあんだから存分に働けよ」
「一ついいかいナルトくんよ」
「なんだよ」
「私ね、諜報員所属なのね?」
「おう」
「諜報しに行くのが本分な訳ね?」
「そうだな」
「なんで毎年、私は年末になるとデスクワークに固定されてるのでしょうか?」
「そんなもん俺が指名してやってるからに決まってんだろ、喜べよ」
「喜べるかよチクショー!!!デスクワークは徹夜の次に嫌いなのにィイ!!!」
そう叫んでからホットウーロンハイを飲み干すとおっちゃんがすかさずお代わりをくれる。流石にこれは負けてくれないのねおっちゃん。紙にお代を追加する顔がマジだよ。クツクツと喉を鳴らすナルトにムカついたのでおでんも追加で頼んでやった。ああもう、今日は好きなだけ飲み明かして食い散らかしてやるんだかんな!!
------
こういうデートもオトナルト似合うなと思ってつい。
[ prev / next ]