■ スレナルと昼寝




俺とした事がとんだ失態を冒した。隣に感じる人の気配と、陽当たりの丁度良い位置。窓まで開いているから心地好い風が吹いている。そう、こんな絶好な舞台の中心で俺は筋書きに逆らうこと無く昼寝をしちまったんだ。その昼寝に誘いやがった当の本人はまだすやすや夢心地を味わっているわけで。

「…くそ…」

目の前には積み重なる書類の山。…そもそも昼寝なんかする筈の無い俺がしたのは長期任務から帰ったらこの山が俺を待っていた。その山に埋もれる女が隣に居る奴だが俺の代わりに書類を捌こうとしたらしいが全く筆が進まず、中には解読出来ない暗号文があっただのと騒いだものだから俺が例の山に取り掛かろうとすると必死にそれを止めて昼寝をしようと言い出したのがそもそもの理由だった。
確かに任務の間は満足に寝れない日が続く。疲れも溜まってるし、心配するのも何と無く分かるが産まれてこのかた熟睡なんかした事ねェから今の気分は妙な感覚だ。俺とした事が、たかが昼寝で熟睡したと。人間の体は10分間だけでも深く眠れば少なからず疲労回復が出来る。が、時計を見れば進みすぎた時間を差していた。19時。俺が帰ったのは丁度昼頃。で、アイツが騒ぎ出したのが14時。たっぷり5時間も寝てんじゃねぇか。なのにコイツはまだ寝息を立ててやがる。何と無く腹がたったので頭をはたく。

「あ、頭がァァア!!」
「おう」
「おはようございます隊長!なんか変な夢見ました!あっ隊長はいっぱい寝れましたか?…ってもうこんな時間!えっいつから隊長起きてたんですか!」
「煩せェよ」
「うわっ酷い!」


まあ、昼寝もこんな無防備な奴の隣でなら良いかと思ったのはきっとどうかしてるんだ俺が。


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ななさんリクエストありがとうございました!




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