・松野と半田




















「ネェ半田。ボクが実は人間じゃなかったらどうする?」

「ええ?松野が?」

「だってさぁ、ボクって奴はつくづく何でも器用にこなせて、とってもオールマイティでしょ?その万能っぷりが人間離れしてるよなぁと、自分でも思うわけ」

「はあ」

「だからボクって実は人間じゃなくて、なんでもできる万能ロボットなんじゃないかなぁ…自分で言うのもなんだけど」

「まじで自分で言うことじゃないよな、ナルシストめ」

「うん。でもさ、自分のことは自分が一番よくわかってるんだって、いろんなところで聞くじゃない?」

「そうかなぁ。自分で自分のことって、そんなに解るもんかな」

「まぁ、半田は自分で自分のことわかんないかもね。なにせ半田だし」

「どういう意味だコラ」

「そういうイミだよ。でね、話を戻すと、ボクって実はロボットなんだよ」

「もう確定かよ」

「うん。だってロボットってカッコイイもん。人間よりはるかに素晴らしいよ―――ネェ半田」

「ん?」

「ボクはロボットだからさ、きっと腕とかミサイルになってるんだ。ロケットパンチなんかもできると思う」

「へぇぇ」

「この右腕もね、くるっと回して引っ張ったら取り外し可能だよ?きっと。スポッ!て」

「ハイハイ」

「何その反応、半田のくせにむかつくー…じゃあ試しにボクの腕、くるっと回して引っ張ってみてよ」

「えぇー…めんどい…」

「いーから!」

「あーわかったわかった」

「はやくしてよね」

「……いくぞー、せーのっ」

「…ちょ!いたいいたいいたいいたい!そんなねじったら関節外れる!」

「全然取れないじゃん」

「おっかしいな〜肘のあたりからスポッといくはずなのにな〜。フツーに痛いし…」

「はぁ、当たり前だろ。人間なんだから」

「あーあ、つまんないの」

「ハイハイ…」