2012/01/02 21:12 「謝るならするんじゃねえ」 ぼたぼたしろい顔を涙が落ちる。できるならその涙ごと眼球を舐めたいがからだが重くて叶わない。ついにわんわん泣き始めたイヴァンがかわいすぎてにやけそうになるのを誤魔化すように睨む。 「ごめんなさい、ギルベルトくんごめんなさい、ごめんなさい、」 びくり肩を揺らして怯えるイヴァンは惨めで哀れで見苦しい。 「お願い、嫌いにならないで、嫌いになっちゃやだよ…」 けれど俺にすがるイヴァンはきれいだ。俺だけを見て俺だけを考えているイヴァンは何よりもいとおしい。でもまだ足りない。もっと俺だけでいっぱいになって俺がいないと生きられないぐらいにならないといけない。俺がこんなにイヴァンを愛しているのだからイヴァンも俺を愛さないといけない。 「ごめん、ごめんなさい…何で黙ってるの。何か言って、喋ってよ、僕なんか嫌い?やだやだやだ!言って、僕を好きって!ねえ!」 がちゃがちゃ首に繋いだ鎖ごとからだを揺さぶられた。ああかわいいなあ。本当は愛してるって言ってやりたいところだが我慢する。 「どうして言ってくれないのギルベルトくん、僕はこんなに君が好きなのに!どうして、どうして!」 だってお前はまだ俺ぐらいに俺を愛していないじゃないか。ここまで来れたら抱きしめてやるしお前が望むようにどろどろにしてあげるのに。早く俺のものになって俺をイヴァンのものにすればいいんだ。そうしたらずうっと俺の中に閉じこめてやるよ。嬉しいだろ、大好きな俺と一緒にいられるんだ。かわいくてきれいなイヴァン、かわいそうなイヴァン。もう離さない。 |