2012/03/25 12:17
ひいい素敵だなんてそんな…!しあわせな気持ちになってくれたら私もしあわせです!
お持ち帰りとサイト掲載はタイトルサイトさんの名前も同じページに書いていただければ全然大丈夫です嬉しいです^^下にコピボ貼っときますのでどうぞ使ってください
そ、それでですね話は変わるのですが椿夢さんもサイトをお持ちなのでしょうか?でしたらもしよければ、何ですが椿夢さんのサイト教えていただけませんか…?あの、ほんともしよろしければなんで…図々しくてすみません…
ギルベルトくんはおとうとだとか友達だとかを大切にしている。意外とひとりでいることは少なくて、だから寂しがりになったんじゃないかと思う。周りもなんだかんだ言いながらギルベルトくんを大切にしているし、なんというか愛し愛されているのだ。僕以外にも。別に僕だけを見てだなんてそんなこどもっぽいことを言うつもりは無いけれど好ましく無いのも確かだ。ギルベルトくんは僕のものなのに。このやたらと新しいタイプの携帯を買ったのだってギルベルトくんがおそろいがいいっていったからなのに。暗い部屋の中で慣れないタッチパネルを触って画面を明るくした。新着メール0、着信0。目に突き刺さる明かりに顔をしかめる。はああ。ため息をついてやたら薄い携帯をサイドテーブルにおいて枕に顔を埋める。もそり横を見てうんともすんとも言わない無機物を睨み付けた。ギルベルトくんのばか。つぶやく。むなしい。ナターシャの来襲もない夜は静かだ。樹が揺れる音。かたかた窓が鳴る。ぱっと液晶の画面が暗くなってまっくらな部屋にぼんやりシーツが浮かんだ。もう一度ため息をついて毛布を頭まで被る。ギルベルトくんなんかもう知らない。ビール飲んで酔っぱらってはしゃいでルートヴィッヒくんに起こられちゃえ。
そうしてゆっくりまぶたをおろしてどれくらいたっただろう。夢を見ていた気がするし、何も見ていなかったような気もする。何かの音で目が覚めた。朝だろうか。いやでもこの家には僕ひとり。こんなに近くで音はしない。というかまだ暗い。ぼんやりからだを起こしたら携帯が光っていて驚いて画面を見る。ギルベルトくん。表示された文字にわたわたしながら画面をタッチする。ああ本当判りづらい!
「も、もしもしっ」
声が裏返った。最悪。吹き出す音が聞こえる。
「…もしもし、ギルベルトくん?」
「ふ、ああ、イヴァン寝てたか?」
「うん。どしたのこんな遅くに」
くちを尖らせて聞く。
「いや別に?寂しくなっただけ」
まばたき。止まる。どうしてこのひとはこんな、ああもう。
「君のそういうとこきらい」
じわじわ顔が熱くなった。きっと向こうにもばれている。
「なんだイヴァンは寂しくなかったのか」
からかうような響き。勝てない。
「ギルベルトくんと違って僕は寂しがりじゃないもの」
「嘘つけ」
「そう思うなら」
仰向けにベッドに沈む。くらい天井。さっきよりも寒くない部屋。
「そう思うのなら、もっと早く電話してよ」
一拍置いて楽しそうに笑いだすギルベルトくん。むずむず僕も笑う。
「俺が悪かったイヴァン、どうしたら機嫌直る?」
低い掠れた声。
「そうだなあ、1日僕に付き合ってくれれば許してあげる」
「朝から晩まで?」
「朝から晩まで」
「いいぜ、分かった。とことん尽くしてやるよ」
「楽しみにしてるね」
「じゃあイヴァン、また連絡するから。おやすみ、」
ギルベルトくんの最後の言葉にふんわりほほえんで返して電話を切った。扱いづらい携帯を労るように撫でて優しく置いておやすみとひとこと呟いた。朝までゆっくり眠れそうだ。
指先と指先でキスをした夜に
タイトルはhmrさんからいただきました
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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