『』
※ローさんキャラ崩壊
ねェ、それは本当ですか
「嘘だろ、」
つか嘘じゃなかったら殺す、死んだって殺す死んだら生き返らせて殺す、
だってそうじゃなかったら、おれは、だっておれは
だけどそうじゃなかったら、
「いや、ほんと」
「ふ、あは…は、は?」
困った様な顔するな、そんな顔は、そんな顔は
「…ごめん」
「はは…、謝るくらいなら、言うなよ、そんな…事」
「……ごめん」
そんな顔見たくない、何でだ、何でわかってくれないんだ、いや違う、そんなんじゃない違うんだ、違うそんな事思ってないそうじゃない、だから
「は…馬鹿じゃねェの、つうか馬鹿だ死ね」
だから、だからね、謝ったりするな、そうじゃなくて、そうじゃないからおれは、おれはもっと
「はは…そうだな、死んだ方がいいかもな」
「何だよ気持ち悪ィ、そんなキャラか」
もっともっともっと
「ごめんなロー」
「うぜェ消えろ、シけた面見せんな胸糞悪ィおれはなァ」
もっと
「やっぱおれじゃ駄目だったんだな、初めから」
「何言ってやがんだ、それを決めんのはてめェじゃなくて、おれだろ。…それに大体おれはお前じゃなくたって良かったんだ別に、…頼んだわけじゃない」
「…そういうトコ、おれは……」
「…何」
「…いい」
「そう、かよ」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、そんな事思ってない思ってない思ってないんだ行かないで行かないでどこにも行かないでおれの側にいておれの側から離れないでおれの側を、
「…じゃあな、荷物は後で引き取りにくる」
「早めにしろよ、邪魔くせェ」
「ああ、ごめんな」
おれの側を離れてどこへ行くんだ行かないで、嫌だ厭だごめんなさい、
「失せろ」
いやいやいやいや
だけどこれはここから出て行かない、言えない、ごめんなさいいつもいつだって頼ってばっかり、おれはいつだって逃げてばっかり
「ユ、スタス…」
ああホラ、聞こえなかったんだ。
同時に鳴った扉の閉まる音。掛からない鍵の音。遠くなる足音すらおれには聞こえるのに、おれの声は届かなかった。当然だ。やっと出た声はおれの心臓の音にも消えそうなくらいだったんだ。
閉じた扉を見る勇気なんかない、しゃがみ込むどころか今にもフローリングと同化しそうな身体は、ただ容赦なく震える。
ドクドクと鳴る鼓動が煩い。煩くて。これから来る独りぼっちが恐いのか、だったらそうならない為に出来る事などそれこそ山の様にあったのに。
「…っつ、あ」
痛い、心臓が痛い、頭が痛い鼻の奥が痛い全部が痛い手も足も何もかもが痛い。
ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさい。聞こえるはずがない、だってこれを一番、誰より何より一番、裂けるぐらいに言いたい人はもうここにはいない、二度とここには来ない。
おれは何がしたかったんだろう、おれはどうしてこうなんだろう。本当にこれでお終いなんだ、これでもう本当に終わり。おれにはもう何にもない。そうだ何もないんだ。
何にもないなんてそんなの、大袈裟じゃなくて、だってそうだ、もしただ生きるのに生活は出来てももうおれは何もない、だってユースタス屋がいない。毎日が正しく回っても、日々が繰り返されても、日常がどんなに美しくたって、もうユースタス屋がいない。
これが何の感情なのか、痛いじゃなくて何なのか、そんなのも上手く伝えられないおれは、いつだってユースタス屋に頼ってたおれは、答えをくれるユースタス屋がいないおれは、本当にどうしようもなかったんだ。どうしようもないおれがそれに気付かないで、どうしようもないぐらい馬鹿だったんだ。
何で言えないんだろうとか、何で素直になれないんだろうとか、思うだけだったんだ。考えもしないで。何でおれはこうなんだろう。
だけどもう遅い。全部。だってもういない。いつだってそうじゃないんだと叫び続けたんだって、そんな事、ねェ、思ってただけだったでしょう。
こんな事思ってない、ありがとうって言いたいんだ、別にそんな事気にしてない、怒ってないんだ、そうしてほしくない、嫌だおれといてほしい。
そういう事が詰まった様に言えない。言えない事すら言えない。素直に思った事を言ってほしいと、何回その台詞を言わせたんだろう、何回それを強請ったんだろう。何回そうやって、おれはユースタス屋を傷付けたんだろう。何回何回何回。
終わってしまって漸く取り繕う様にこんなに饒舌な感情は、どうやら許してほしいのか、次々溢れて止まらない。だからもう遅いのに。なのにそれでもおれの中から出て行く術を知らないようで、放られる言葉がただ回る頭の中に、ただ心は置いて行かれる。
そんなんじゃないと思ったって、おれにしかそれはわからない。周りにおれの気持ちなんかわからない、だけどもう、もうそれでも良いやと思って生きていたのに、どうして味を占めたおれはもう、ユースタス屋がいないこれから先、また元に戻ってどうでも良いやって、そんな風に生きていけるだろうか。
いつだって笑ってくれたのは初めてだった。仕方ねェなァ・と頭を撫でていった大きくて温かい手のひらに心臓が止まるかと思ったんだ。鮮烈な赤色をいつだって追いかけた。すぐに気付いてこっちを向いた。堪らなく嬉しかった。だけどそれを嬉しいのだと伝えた事は一度だってなかった。それでもわかってくれた。いつでも。
だから、それに甘えてたんだ。
「う、ごめ…ゆ、すた」
今更なんだ、今更何言ったって遅い、だってもういないんだ、もう
「いや…だ、」
届いているのだと思った。実際届いていた。おれが意識していない所まで、きっと届いていた。届いていたのに、それを無視して蔑ろにして、勝手に満足していたのはおれひとりだった。
死んだらいいのはおれの方だ。おれなんて死んだら良かった。いつかそんな風に言ったおれは、それが本意じゃないから言えたのに、本気で怒ったユースタス屋を見てさァ、なァ、何て思ったんだと思う?
『愛されてる』って思ったんだよ。
幸せに呑まれて溺れてそこで暮らしていたい。ずっとここで息をしていたい。目に付く所にユースタス屋がいて、声が聞こえて、笑ってくれて、甘えていたい。
だけどそこには、ユースタス屋の幸せなんてなかったんじゃないのか?
ユースタス屋はおれに何をして欲しかった?
おれに何を言って欲しかった?
おれはユースタス屋に一体何をしてきたんだ?
本当が言えないなんて言って、本当は何が本当なのかもわからないんじゃないのか。何が本当かわかりもしないで、与えられる事が愛だと思って、ただそれが心地良かったから何もしなかったんじゃないのか。
だっておれはユースタス屋をあいしているけど、『愛している』と伝えた事なんてあっただろうか。
「…ゆ、すた、あ…い、」
どうして、あいしているのに。
あいしているのに、今走って追いかける事もしない。
あいしているのに、今ここで立ち上がる事もしない。
あいしているのに、今あいしている、って何だっけ。
「…?」
あい、ってなに、ユースタス屋。
ユースタス屋がいなきゃ、おれ何にもわかんなかった。
・『わかっていたつもりだったのに』
欲しいと言えばくれる愛に溺れて
最高に甘やかされて
嬉しくて幸せで温かくて
そしておれは
溢れたそれをどうしてしまったんだろう
ローさんどこにいった
バットエンドするキドロすきつらい
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