私が逃げたことが何か癇に障ったらしく
切原赤也は私の事を追いかけてきた。
私は普通の"女子"で、切原君は"男子テニス部エース"な訳で。
つかまった。
だけど、恐怖でいっぱいな私はつかまれた瞬間
恐怖で切原君の事が見えなくなった。・・・まだ触れてるはずなのに。
「あぁ、ぁあっ、はなして、なぐ、らないで、っ」
終いには泣き出してしまった。
怖い、怖い、怖い。
人が怖い。助けて、助けて。
「、助けて。」
「助けてやるよ」
フ、と騒ぎすぎたせいなのか私は意識を失った。
あぁ、勘違いかもしれないけど、
切原君が、私を守るように抱きしめてくれたのが、最後に分かった。