「どうゆう事だよ、・・美羽!」
「うるせぇな・・・その名前で呼ぶんじゃねぇよ。」
ぎゅう、とモンブラン先輩を抱きしめて離さない佐々木(美羽の苗字)にもイラつくけど
モンブランから美和を標的に変えて、悪役にしたがる跡部もイラつく。
それに、気になることもある。
何でさっきから男口調なんだ?・・・よくわかんねぇ、事ばかりで頭がおかしくなりそうだつっーの。
「性同一性障害、か?」
「・・・そうだよ、俺は性同一性障害だ。」
驚いた、テレビでしか見たことないその障害の人が、目の前にいることが。
それで女なのにモンブラン先輩に惚れて、あんなに執着したのか。
納得したけど、やっぱりイラつく。
だって、俺だってモンブラン先輩にくっきてぇし、・・・嫉妬する。
ついさっきまで、モンブラン先輩をいじめてたくせに、ずうずうしいんだよ。
・・・それなのにモンブラン先輩もモンブラン先輩だ。
何で許せんだよ、主犯なのに、なんで許せんだよ・・・ッ!
「・・・滑稽だよなぁ、本当に」
「んだと!?」
「だって俺途中からだぜ?マネになったの。なのに俺なんかに騙されて苛めるなん・・」
パシン
「、モンブラン?」
「・・・それ以上言わないで。・・・それに今ならこれで貴方の事も許してあげるから。」
モンブラン先輩の恨みや、苦しみは、本当にそんなので許せるのかよ。