「待ちなさいよ」
「美羽・・・?」
ビクリ、私の肩が震える。
精市の顔が無表情に変わるのが横目で見えた。
仁王も「凄い豹変じゃのぉ」とつぶやいたり、赤也も睨みを強くする。
・・・それほどまでに、美羽の豹変ぶりが凄かったからだろう。
さっきまでは私に怯えるようなか弱い少女で、りょ、・・宍戸に隠れてたのに
今は宍戸を押しのけて、鬼のような顔でこっちにずかずか歩いてきた。
バシャ、
「邪魔よ、仁王雅治」
「・・・ご挨拶が過激やのぉ」
そして、近くまで着たら丁度あったドリンクをつかんで仁王にぶっ掛けた。
驚いた仁王は私から離れる。
あぁ、ぬくもりが消えるってこんなにさびしかったんだ。
すぐに美羽から離れようと後ろに後ずさったら、いきなり美羽が私を引っ張って押し倒してきた。
「っや!」
「やじゃない!何で、何で私から離れるの?!っ、俺はモンブランの事愛してるのに!」
無理矢理顔を押さえつけられて何度も触れるだけのキスをされる、
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!
赤也とブン太が助けに入ろうとするが、その前に私の首元に冷たいものが宛がわれる。
ヒュッ、と私の熱が下がる。
「近寄るんな」
「近寄ったら」
「俺もモンブランも死んでやる。」