「やぁ、氷帝の皆」
「アーン?幸村か」
何で、精市が氷帝にいるの?
それに、何で仁王君は、私をテニス部につれてきたの・・、
「なんでソイツがいる。」
「いいじゃないか、この子は立海のお姫様だしね」
「じゃあ俺が王子じゃな」
仁王が私の首に腕を巻いて言えば、立海レギュラーの厳しい否定の声が入る。
いつもなら、楽しいと思えるこの光景だけど、場所が場所すぎる。
皆からの視線が怖い。怖い。
ヒソヒソ声がクリアに聞こえる、
"ウザイ""なんでいるんだよ""目が腐るわぁ"
あぁ、膝が震える、怖い。恐怖しかない、恐い。
「あ、今日の用件はお姫様をもらいにきたんだよ、いいよね?跡部」
「アーン?別にいいぜ、そんな奴、いないほうがいいからな。」
一々言いにくんじゃねぇよ、と跡部は私をにらむ。
グシュ、と心に食い込む、言葉。
そんな奴、氷帝生じゃねぇしな。
また、ブシャリ、胸が痛い。焦りと似たようなよく分からない感情が支配する。
ガタガタガタ、震える。
抱きついたままの仁王はそれに気づいたのか抱きしめる力を強くした。
それを睨んでる人なんて気づかずに
(何で何で、こんな展開望んでない。)
(許さない許さない。)