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「うっ、ぁあっ、」


ヤダヤダヤダヤダっ!こんな耳、こんな尻尾いやだ!
帽子をかぶってもかぶせないぐらい大きな耳、

スカートでもズボンでも隠せないぐらいに大きい尻尾、しかも9本。
そんな姿でボロボロ泣きながら家から飛び出して町を四本足で走ってるんだから
目を引くのは当たり前だとおもう。

だけど、家にいても不安で仕方ないから。
ツナには悪いけど、今の私ならあなたを傷つけかねないから。

そう思ってたらドンっ、と誰かにぶつかるような衝撃が私に来ていて
その衝撃で私はふっとんでしまった。・・・なぜか体重までかなり減っていたからかもしれない。


「・・・ワォ、」

「す、すいませんっ、急いでいるので、しつれいっ・・しま、すっ」


嫌だ嫌だ今絶対に見られた。
こんな姿見られたくない。誰にも、誰にも見られたくない!!


「まちなよ」


走り出そうとしたらパシッと腕をつかまれて引き戻された。
私はどうにか逃げ出したくて「話してください!」と叫んでみるも
話してくれるない、・・・しかも周りの人も助けてくれない。
つかんでる相手が私の名前を呼んで、何で知ってるのかと顔を上げてみれば。
そこでやっと私がぶつかった相手を知る。


「あ、ぁ、・・・雲雀、きょっや・・・?」

「そうだよ、君は戸田昨日だよね」


何それコスプレ?とその後に聞かれるが
今の私にその言葉は禁句だ。泣きたくもないのに涙が勝手に出てきてしまうもの
天下無敵の風紀委員長の前でボロボロ泣いて、うるさい、といわれて
殴られないか不安だったけど、狐になって涙線が弱くなったみたいでボロボロと泣いてしまった。

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