001
事の始まりは冬休みに入る直前だった。
私は並盛町、とよばれる
土地で普段通りにゆっくり学校から帰っていただけなのに。
「・・・狐?」
一匹の狐を稲荷神社の付近で見つけた。
そして何故かこっちをジィ、と見つめる狐は
少し気味悪いと思ってしまうほどに目が赤かった。
(あれ?狐って目が赤かったけ?)
私はずっと視線もずらさずに見られてることに怖くなって
すぐに視線をはずして帰ろうと思い、視線をはずすとその視線の先にも狐。
狐狐狐狐狐狐狐狐.....どこを見ても狐。
「な、何・・?」
気味が悪い。並盛に狐なんて聞いたこともないのに。
直感的に悪いことが起こると判断した私は走り出した、
何回か狐を踏みそうになったけど、そこは頑張ってよけて走った。
自分の家をめがけて、
ガブリ、
ふいに足首を一匹に噛まれた。
はっとして足下を見ると笑うように見上げる狐、
(あぁ、だめ)
そして狐と目があって瞬間
私は意識を手放した。
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