002
「・・・」
あの事件以来、私は怯えるように暮らした。
何故なら私の視界には狐が、必ずどこかにいるのだ。
他の人には見えない狐。
それは私を怯えさせるには十分で。
(最悪。)
怯えて暮らすようになってしまったのだ
それどころか、夜になると狐の耳と尻尾が出てきて目が赤くなってしまうため、
部活にも参加ができなくなり、退部もしてしまった。
親は出張が多いためばれていないが
バレるのは時間の問題だと思う。
とにかく私は多分、世間でいう化け物になってしまったんだと思う。
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