接点が全くないっていうのはこうもつまらないものだったのか。これを無くすためにも恋する女の子は頑張るらしい。
「私、頑張れない…」
「つまんねえ女」
「うるさい。沖田、ガムちょうだい」
そこまでの情熱が私にはない。動機が不純だからか。いやいや、そんなことは、ない。
「おい、昼買いに行くぜい」
「土方くんは?」
「下痢で休みでさあ」
購買への道のりは気怠い道のり。だって好きな人がいて歩く道のりと好きな人がいないで歩く道のりは全然違う。とってもつまらない。全部が曖昧でスローダウンしている。
「私、クリームパン」
「あいよお」
列なんて守ることを知らない人の群れを高みの見物でもしてやろうと、よそ見をした。その視界のはしっこで二日ぶりくらいに見る先生を見つける。
ぼんやりと視界に入る先生は少しばかし私を緊張させた。そのせいか沖田がパン競争から帰ってくるまで私は先生の方を見ないように上の空のふりをして、ずっと立っていた。
「ブス専教師、いっちまいやしたよ」
「いいもん」
「あっそ。ほら焼きそばパン」
「ん?」
まえ