倒れたまま逃げようとする根岸を捕まえる。
「ご、ごめんなさい!悪いのは河合君のはずなんだけど、一応ごめんなさい」
謝罪を無視して、マウントポジションをとると近くにあった教科書で根岸を叩いた。
「お尻なんて叩かないでよ、ばか!」
二の腕を押さえて動きを止めたところで小休止。この後を考えてない。根岸は変わらず、ずっと「ごめんなさい」と呟いていた。僕の中にくすぶった欲情がチラつく。
友達。女友達って何をするのか、分からない。何が正しいかなんて誰も教えてくれないんだ。なら僕が良いと思ったそれで良いじゃないか。欲にかられ、振り上げた手が真上にきた時、教室の扉が開かれた。
「そ、曽良くん何してんのぉ?!」
「芭蕉先生助けてえ!」
救われたのか、余計なのか。
まえ