短編![](//img.mobilerz.net/sozai/1174_b.gif)
※…背後注意
◎…その他
しばし休憩。
久しぶりに外に出てみる。
目の前には得体の知れないものがあった。
「なんだこれは…?」
「坊ちゃん!!おはようございます!!!お散歩ですか〜?」
声をかけたのは、ファントムハイブ家庭師のフィニだった。
「…あぁ。ところでこれは何だ?」
「どこからみても、暴れん坊伯爵じゃないですか〜」
木の…塊。
それ以外何も考えられなかった。
「まぁいい。そっちは…!?」
ファントムハイブ家の庭には、こんな広い更地があっただろうか?
昨日までは、薔薇が咲いていたはず…
「坊ちゃん、そろそろ中にお戻りください…何ですかこの庭は!」
「ごめんなさい〜!!薔薇に栄養剤を与えようとしたんですが、間違えて除草剤をかけちゃったんです〜」
「…貴方は何度目ですか?何回叱れば分かっていただけるのやら…」
いつものことだ。
フィニは…いつもセバスチャンに叱られている。
(学習能力の低いやつ…)
シエルは思った。
「…坊ちゃん。」
セバスチャンが低い声で僕を呼ぶ。
「…貴方も何回言えばわかって頂けるのですかね?仕事を放り投げて出歩くのはお止めくださいますか?学習能力が無いのですね?」
うっ…
今、僕が思っていたことを…
「…人のことより、自分のことに気にかけてくださいね…?」
「いっ…痛い!!」
セバスチャンが僕の頬をつかむ。
「…さぁ、屋敷に戻って山ほど溜まっている書類を片付けなければ。」
「それは、そうだ…が」
(何故僕なんだ?叱られていたのはフィニのはず…)
不満がいっぱいの坊ちゃんでした。
「セバスチャンさんと坊ちゃんは仲良しなんだねッ!!!」
フィニは微笑んだ。
=END=
2010.12月6日
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