短編
※…背後注意
◎…その他

しばし休憩。


久しぶりに外に出てみる。
目の前には得体の知れないものがあった。

「なんだこれは…?」

「坊ちゃん!!おはようございます!!!お散歩ですか〜?」




声をかけたのは、ファントムハイブ家庭師のフィニだった。




「…あぁ。ところでこれは何だ?」

「どこからみても、暴れん坊伯爵じゃないですか〜」





木の…塊。
それ以外何も考えられなかった。




「まぁいい。そっちは…!?」




ファントムハイブ家の庭には、こんな広い更地があっただろうか?
昨日までは、薔薇が咲いていたはず…




「坊ちゃん、そろそろ中にお戻りください…何ですかこの庭は!」


「ごめんなさい〜!!薔薇に栄養剤を与えようとしたんですが、間違えて除草剤をかけちゃったんです〜」

「…貴方は何度目ですか?何回叱れば分かっていただけるのやら…」




いつものことだ。
フィニは…いつもセバスチャンに叱られている。

(学習能力の低いやつ…)
シエルは思った。



「…坊ちゃん。」



セバスチャンが低い声で僕を呼ぶ。




「…貴方も何回言えばわかって頂けるのですかね?仕事を放り投げて出歩くのはお止めくださいますか?学習能力が無いのですね?」




うっ…
今、僕が思っていたことを…





「…人のことより、自分のことに気にかけてくださいね…?」

「いっ…痛い!!」




セバスチャンが僕の頬をつかむ。




「…さぁ、屋敷に戻って山ほど溜まっている書類を片付けなければ。」

「それは、そうだ…が」






(何故僕なんだ?叱られていたのはフィニのはず…)
不満がいっぱいの坊ちゃんでした。



「セバスチャンさんと坊ちゃんは仲良しなんだねッ!!!」

フィニは微笑んだ。


=END=
2010.12月6日

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