短編
※…背後注意
◎…その他

この僕に休みなど無い




「冷えてきたな…」



空気にあたりたかったので自室の窓を開けた。冷たい空気が頬を包む。

ファントムハイヴ家の庭は、雪の絨毯になっていた。…恐らくフィニが造ったであろうロボットのような植木も白い洋服を見に纏っていた。



「坊ちゃん、風邪をひかれてしまいます。窓を閉めてください。」



外にある雪の絨毯は、1つの足跡も付けられていなく、とても綺麗たった。




「…坊ちゃん、私の言葉が耳に入りませんでしたか?風邪をひかれたらどうするんですか?」

「お前に看病させる」

「私を頼ってくたさるのは嬉しいことですが、その考え方はどうかと思いますよ?」



風邪になれば大嫌いなダンスレッスンもなくなる。帝王学も…



「風邪でお休みになられたら、後のスケジュールに支障が出かねます。それに何より、女王の番犬としての任務が遂行出来なくなりますよ?」




セバスチャンが何でもお見通しでもいったかのように僕を見て微笑む。
その笑顔に…やたらと腹が立つ。




「…休みが欲しい。午後の帝王学は後に回せ。疲れた。」

「…それはいただけませんね、坊ちゃん。帝王学は昨日、予習したではありませんか?」

「気が乗らない。」

「嗚呼…子供のような駄々のこねかたですね?そんなことを教えた覚えは無いのですが。…では帝王学ではなく、お説教にいたしましょう。」

「!?」




セバスチャンがいきなり抱き上げた。
何処に行くのかと思うと、行き先は寝室だった。



「なッ!!!何をするっ!?」



腕を捕まれたまま叫んだが、全く効果は無かった。
首元のリボンはいつの間にか外され、白い肌が露になる。



「…やッ…ヤメ」

「…邪魔者ですか。坊ちゃん、この続きは夜にしましょう?」




チュッ

「…うッ…」




首筋に紅い印をつけ、セバスチャンは僕の服を整える。
何故かガッカリしている自分がいた。








一瞬、窓の外に赤い髪が見えた。
あいつのせいか。


=END=
2010.12.2

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